瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Dec 25, 2017

International Symposium: Frontiers in Crustacean Biology: Asian Perspectives

【International Symposium: Frontiers in Crustacean Biology: Asian Perspectives】
 
近年のアジア各国における、めざましい甲殻類学の進展にかんがみ、アジアの最も代表的な甲殻類学者を招聘して、最近の研究成果を講演していただきました。また中華人民共和国の青島に本部がある中国甲殻類学会からは、その名誉会長をお呼びして同学会についてのご紹介をしていただきました。さらに国際甲殻類学会の次期会長をお呼びして、シンガポールにおける例をもとに、甲殻類学における国際コミュニテイにおけるアジア地域との関係について講演していただきました。これを期に、アジアの全域に甲殻類学の情報ネットワークを構築していきたいと思っております。

   朝倉彰(日本甲殻類学会会長)

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場所:東京大学大気海洋研究所
10 月 8 日(日)14時~18時



左からJianhai Xiang、Peter Kee Lin Ng、Lim Shirley、朝倉 彰、Benny K.K. Chan、Tsang Ling Ming、Ka Hou Chu







--- プログラム ------------------------
Jianhai Xiang (President Emeritus, Chinese Crustacean Society; Chinese Academy of Sciences)
"Introduction to the Chinese Crustacean Society"




Peter Kee Lin Ng (National University of Singapore)
"The nature of Asian carcinology: Evolution"



Lim Shirley (President Elect, The Crustacean Society, U.S.A.; Nanyang Technological University, Singapore)
"Prospects and challenges in conducting crustacean ecological research in a highly-urbanized country"





Ka Hou Chu (The Chinese University of Hong Kong)
"Resolving the decapod tree of life: the case of Caridea"



Tsang Ling Ming (National Taiwan Ocean University)
"Application of Next-generation sequencing in ecological and evolutionary studies of crustaceans"




Benny K.K. Chan (Asian Governor, The Crustacean Society; National Taiwan University)
"Larval biology of coral and sponge associated barnacles"


Hyun Sook Ko (Silla University, Korea)
"Classification of Korean brachyuran zoeas"
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Dec 22, 2017

日本甲殻類学会第55回大会 盛況裡に終わる!

posted by AA

日本甲殻類学会第55回大会が、2017年10月7日と8日に、東京大学大気海洋研究所で開催されました。14題の口頭発表、18題のポスター発表、7題の中学生・高校生によるポスター発表がありました。
大会長の猿渡敏郎さんをはじめとする組織委員会の方々、大変お世話になりました。

(下記の写真は大土直哉さん、猿渡敏郎さんほか組織委員会の撮影になるものです。Thanks)











Dec 20, 2017

日本甲殻類学会・日本貝類学会共催シンポジウム 「捕食・被食と殻の役割」

posted by AA

東京大学大気海洋研究所 (千葉県柏の葉キャンパス)にて、第二回目の日本甲殻類学会・日本貝類学会合同シンポジウムが開催されました。2つの学会の歴史的合同シンポジウムと言えます。

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日本甲殻類学会 ・ 日本貝類学会 共催シンポジウム
「捕食・被食と殻の役割」

Joint Symposium by Carcinological Socity of Japan and Malacological Society of Japan
Crustaceans and Molluscs: Role of Shells and Prey-Predator Relationship
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    http://csj-symposia-2017.webnode.com/accommodation/

2017年10月6日(金) 東京大学 柏キャンパス 大気海洋研究所 講堂
コンビナー 狩野泰則(東京大学 大気海洋研究所)
実行委員
 狩野泰則・猿渡敏郎・大土直哉・中野智之・福森啓晶・高野剛史・矢萩拓也

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ごあいさつ
日本甲殻類学会と日本貝類学会は、それぞれ甲殻類および軟体動物の生物学を扱う学会として、ともに長い歴史があります。日本とその周辺域は、甲殻類および軟体動物の種多様性は非常に高く、海洋、陸水、陸上の生態系における重要な位置を占めており、古くからさかんに研究が行われています。またそうした生態系における甲殻類と軟体動物の関係は多種多様で、共生関係、寄生、捕食・被食関係、競争関係など、さまざまです。近年のこうした分類群間の研究によって、非常に興味深い、場合によってはわれわれの想像を超えた面白い現象が発見されています。 こうしたことに鑑み、日本甲殻類学会と日本貝類学会は合同でシンポジウムを開催することとなりました。
第一回目は、2017年4月15日に和歌山県の白浜町で開催され、海外からの3名の招待講演者を含む国際シンポジウムとして、日本貝類学会の大会内で行われました。シンポジウムのメインテーマは「共生、寄生関係に関する進化生物学」で、150名あまりの参加者がありました。
今回、東京大学大気海洋研究所で、日本甲殻類学会大会の開催前日に、第二回目の合同シンポジウムが開催されることとなりました。今回のメインテーマは「捕食・被食と殻の役割」で、貝類・甲殻類間の捕食と被食、あるいはそれに関わる形態進化、または殻を利用した被食回避についてを主たる内容にしたもので、新進気鋭の研究者による最前線の研究内容が発表されます。

        日本甲殻類学会会長 朝倉彰
        日本貝類学会会長 大越健嗣




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シンポジウム趣旨紹介
 狩野泰則  (東京大学 大気海洋研究所)

入江貴博(東京大学 大気海洋研究所)
誘導防御:いまさら訊けない蟹と貝のカンケイ
 
藤原慎一  (名古屋大学博物館)
カニのハサミのかたちと使い方の関係~形態から見積もるハサミの破壊力と壊されにくさ

加賀谷勝史(京都大学 白眉センター・瀬戸臨海実験所)
シャコの殻割り行動の制御機構

石川牧子 (ヤマザキ学園大学)
太古の攻防を垣間見る:生痕から見る貝・ヤドカリへの捕食圧

早川 淳*・大土直哉(東京大学 大気海洋研究所)
大型甲殻類および肉食性巻貝類によるサザエの捕食とその痕跡

中山 凌*・中野智之(京都大学 瀬戸臨海実験所)
捕食回避から見るカサガイの巻貝への付着行動

許 晃(東京大学 生物科学専攻)
イソダニ類の摂餌生態と貝形虫の捕食痕

角井敬知  (北海道大学 理学研究院)
巻貝の殻を背負って生きるタナイス

遊佐陽一 (奈良女子大学 理学研究科)
寄生性フジツボ・トサカエボシのアグレッシブな摂食

AKI, Inomata(現代美術家)
ヤドカリの宿貝替え行動を用いたアート作品の制作
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発表された瀬戸臨海実験所の中山くん、中野先生、加賀谷先生、そして白浜水族館でもコラボされたAKI INOMATA さん、ご苦労さまでした!

Dec 15, 2017

奈良女子大学 臨海実習(2017 6/6-10)

posted by TPS

6月6日から10日まで,奈良女子大学の臨海実習が行われました.

この実習では,磯観察・プランクトン観察・磯生物を扱った自由研究と発表・海藻の観察・タイドプール調査と発表を実質4日間でこなします.え,4日で?というくらい濃い実習です.

初日はオリエンテーションのみで終了です.前回の和歌山大もそうですが,奈良女の実習も天気に恵まれないことが多いようです.季節がらなのか,それとも....

翌日からフィールド調査がはじまりました.天候は雨です.みなさん雨合羽を装備して海岸へと向かいました.

これだけそろうと壮観ですね.なかなか見られない何かの儀式に向かうかのようなカッパ隊の行列です.このあと数枚はカッパ隊の写真が続きます.

遊佐先生から磯生物の帯状分布について解説を受けるカッパ隊です.この場所は写真では完全に干出していますが,満潮時には海面下となる潮間帯です.


岩場につく牡蠣やヒザラガイについての解説をメモするカッパ隊(しつこい).個人的に言葉の響きが気に入りました.

天候は良くありませんが,潮が引き,風がないので観察はしやすかったでしょう.海藻が消え始める時期なので,足元は岩肌が目立ちます.

タイドプールの解説に聞き入るカッパ...実習生です.奈良女のみなさんは,吸収が早いのでとても助かります.この日のタイドプールでは,右の写真のようなコシダカさんが5個体もみつかりました.

ラボに戻るとプランクトンの観察が待っていました.天候のせいもあって,自分たちで採集することはできませんでしたが,技術職員の方々のご協力で2地点のプランクトンを観察できました.

湾内と外海に面した場所でプランクトンに違いはみられるでしょうか.

今回はこんなプランクトンがみつかりました.左はお馴染みのベリジャー,右は群体ホヤのオタマジャクシ型幼生です.いつもみかけるオタマボヤとの違いが明瞭ですね.先端の3本の棒が付着器です.

翌日は自由課題研究です.前日のタイドプールの様子をふまえて,班ごとにテーマを決めて研究内容を組み立てていきます.

今回の実習ではこのような研究テーマを進めていくようです.

夕方の発表までにそれほど時間はありません.テーマが決まり次第,タイドプールでサンプルとデータ収集をはじめます.

時間が…ないってばよ.

ラボに戻ったら早速実験です.こちらはシマレイシガイダマシがペアをつくる理由を調べています.

この班はウニの逃避行動を観察するために,ウニのすりつぶし液を加えているようです.結構種ごとに色が違うものですね.

水槽を暗くしてウニの走光性を観察したり,障害物を配置して生息場所の選択性を観察する“装置”を作った班もありました.

発表内容は割愛しますが,いつもながら短時間で良くまとめられるものだと感心してしまいます.すばらしい!

 4日目は野外で海藻の観察を行いました.天気はすっかり回復してフィールド日和です.

 ここで様々な海藻の種類と生息場所を覚えておかないと,翌日が大変なことになります.みんな真剣にメモを取り採集に励んでいますね.

採集した海藻は押し葉標本にしていきます.これで詳細な形態の特徴もつかめますし,標本は実習の記念にもなります.このフレーズは今まで何回使っただろう....

今回の実習では,最終日も調査を行いました.毎年恒例のタイドプール内の海藻調査です.2種類のタイドプールを選択し,その中の海藻や動物の分布状況を比較します.違いがみられた場合は,その理由を考察して発表してもらうことになります.

もちろんタイドプール底部の海藻を観察するためには,海水を掻き出す必要があります.左の写真から右の写真へと調査は進んでいきました.

調査後は生物を保護するために掻き出した海水を元に戻します.これがなかなかの重労働なのです.あれ?なんか人数多いなぁ.

調査結果を持ち帰って,午後の研究発表のための資料を作成しています.班のメンバーと相談しつつ,タイドプールの平面図・断面図を描いていきます.

発表準備中の実習室の様子です.当然ですがみなさん真剣に議論していますね.

そして研究発表です.何度も言いますが,本当に短時間でよくぞここまでまとめました...という発表ばかりです.分布の違いとタイドプールの環境要因との関連も良く考察できていました.

そしてこの満面の笑顔です.最後は天候にも恵まれてよかったですね.お疲れ様でした.