瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Aug 9, 2017

京都大学臨海実習第2部・公開臨海実習「発展生物学実習」 (2016 9/13-19) その2

Posted by TPS

京都大学の臨海実習第2部・公開臨海実習「発展生物学実習」の続きです.

 4日目は十脚目以外の甲殻類を観察します.実験所のすぐ近くにあるフィールドへ出かけました.

時間の関係であまり潮は引いていませんでしたが, フジツボやカメノテの野外での様子はよく観察できました.

 ラボに戻って採集物の解説・観察・スケッチの時間です.

フジツボやカメノテを解剖しつつ,各パーツをスケッチしていきます.これらは蔓脚下綱に属する固着生物ですが,れっきとした甲殻類です.甲殻類の特徴をしっかり観察できたでしょうか?

フジツボの解説をする大和先生のTシャツにご注目ください.次に扱う生き物を暗示(いや明示か)しています.

そう,次は磯のアイドル「フナムシ」さんの解剖とスケッチです.観察の途中で逃げ出されては困るので,エタノールで固定したものを使います.ご安心を…。

慣れてしまえばちょっと足の多いエビみたいなものです….笑顔だって自然に作れます.

この後は顕微鏡がお友達です.ひたすら観察とスケッチで4日目は終了です.


そして5日目.この日のメニューは朝倉先生によるヤドカリの体構造観察とスケッチです.

材料は,イソヨコバサミやホンヤドカリのエタノール固定標本です.ヤドカリを観察するには,まず殻を割ってあげる必要があります.万力で中身を傷つけない程度に殻を締め上げます.

うまくいくと殻だけが割れて,このように本体を取り出すことができます.うまくいくと…ね。

殻さえ除けてしまえば,観察は容易です.ヤドカリの体の「各パーツ」ごとに解剖し,どんどんスケッチを続けていきます.

朝倉先生による直接指導を受けている彼は,この半年後に当実験所のメンバーになりましたとさ.めでたしめでたし.

 細かく立体的なパーツが多いので,観察するには工夫も必要になります.みなさんのセンスが光ります.

この日もスケッチをおなか一杯堪能できました.これでもう,磯でヤドカリを見つけたら「この根元に触角棘が…」「生殖孔の位置が…」なんていう専門トークができますね.


実習も6日目になりました.実習メニューとしてはラストとなる,カサガイ類の行動観察のスタートです.いつも石にくっついて動かないイメージのあるカサガイですが,意外にアクティブなのです.

カサガイのお尻(後部の殻上)に肉食性の巻き貝を乗せてみましょう.

するとカサガイはいろいろな防御行動を見せてくれます.急に逃げ出したり,外套膜を拡げてみたり…。詳細は実習に参加して実際に体験してみてください.

次に登場するのはこのお方.中野先生の奥さん作,とってもリアルなカサガイのぬいぐるみです.

ちゃんと殻が外れるギミックつきです.これから実際に殻を外して,鰓のつき方などを観察していきます.

貝類の殻を外すには茹でるのが一番です.カサガイなら10秒ほど茹でるとポロリと殻が外れますが,巻き貝の場合は温度や茹で時間によって殻の外しやすさが変わります.「肉抜き」は奥の深い職人の世界なのです.

2日目に採集されたハナデンシャは今日もみんなのアイドルでした.刺激を与えると発光するということで,身を乗り出しながら観察しました.

最終日の夜は恒例の「反省会」です.準備段階から手伝ってもらい,大いに「反省」が進みました.

なかなか内容の濃い1週間になると思います.京大臨海実習第2部、公開臨海実習「発展生物学実習」に参加してみませんか?

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