瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Jul 29, 2017

京都大学臨海実習第2部・公開臨海実習「発展生物学実習」 (2016 9/13-19) その1

Posted by TPS

(昨年の)9月13日~19日にかけて,京都大学の臨海実習第2部・公開臨海実習「発展生物学実習」がおこなわれました!

この実習ではプランクトンやメイオベントスの観察に加え,様々な海産無脊椎動物を採集・観察し,一部の動物群に関しては細部まで解剖しつつ,形態的な進化の過程を学びます.

初日はオリエンテーションから始まります.実習のスケジュールや設備の説明,参加者の自己紹介などです.

そして,この後の実習内容にも深くかかわる「動物の分類と体制」についての講義がスタートです.

講義後には構内の見学と顕微鏡の操作方法のレクチャーを受けて初日は終了です.

2日目はプランクトン(今回はクラゲ類)の観察です.が、その前に実験所前の北浜へ磯採集にでかけました.

前日が少し荒れていたためか,こんな珍客が漂着していました.知る人ぞ知る,ハナデンシャ Kalinga ornata です.とてもレアな種なので,生態もあまり詳しく知られていません.しかも刺激を受けると発光するという特殊能力付き!この子は実習期間中のアイドルになりました.

肝心のプランクトンですが,今回は田辺湾の湾奥と湾口部分のサンプルを観察しました.

プランクトン観察の定番,オタマボヤも無事に発見されました.固着性のホヤからは想像が難しいかもしれませんが,尾索動物(ホヤ類)は我々脊椎動物に近いグループです.このオタマボヤの形を見ると,少し納得がいきますね.

あとは時間の許す限り観察です.図鑑と首っ引きで,ひたすら元気なプランクトンを探します.

漂着していたギンカクラゲからクラゲが放出されました.混乱するかもしれませんが,左の写真の青いものはギンカクラゲのポリプが集まった群体で,そこから放出されたものが右の写真の小クラゲです.あ,混乱してきた….

刺胞発射の瞬間も観察できました.写真の右隅に向かって伸びているのが発射された刺糸です.発射速度は時速130kmを超えるそうです.


今回観察できたクラゲ類はこのようになりました.この日は夜の水族館観察ツアーまでで終了です.夜の水族館では夜行性の生き物や魚類の寝姿など,普段お目にかかれないものが観察できます.興味がある方は,是非実習に参加してください(宣伝).

 3日目はメイオベントス(間隙生物)の観察です.京大1・4部の実習と同様に,宮崎先生にお越しいただきました.

 メイオベントスのような小さな生物を観察する際には,ピンセットでつまむわけにはいきません.そこでアーウィンループという金属の小さな輪をニッケル線で作ります.直径は0.2㎜以下!

 二人で協力しながらニッケル線をねじっていきます.製品として売ってるものもあるらしいのですが,数千円と少々お高いそうです….

アーウィンループができたら北浜にサンプル採集に出かけます.フジツボをこそげ落としたり…

穴を掘って浅場と深場の砂を集めたりします.このフジツボの殻中や砂と砂の間に生き物が隠れているのです.

 集めた基質は一度淡水で洗い、そのあと海水で激しく振り洗いをします.そうすることで基質にしがみついていた生き物が海水中に放たれます.今回の実習では彼がバーテンダーでした.この恍惚とした表情をご堪能ください.

洗い出された生き物をネットや篩で濾します.

 みなさんの努力の結晶が5つのサンプルとなりました.そして戦いはこれからです.

それぞれのサンプルから生き物を探し出してスケッチをします.

アーウィンループを駆使して…,かわいいクマムシを探してみましょう.

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