瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

May 26, 2017

京都大学臨海実習第1部、4部+公開臨海実習 (8/29-9/5) その1

Posted by TPS

(昨年の)8月29日~9月5日にかけて,京都大学の臨海実習第1部,そして4部+公開臨海実習がおこなわれました!

この実習はタイトルの通りなかなか複雑で、京都大学理学部向けの「臨海実習第1部」と,同じく「第4部」を同時に開催しているのです.さらに第4部は学外向けの「公開臨海実習:自由課題研究」としても実施しているので,名目上は3つの実習,内容的には2つの実習が行われることになります.

第1部のメニューは,磯生物の採集・観察・解剖,ウニの発生実験,プランクトンの採集・観察などです.

第4部+公開臨海実習は,各人が自由にテーマ(分野・材料・方法)を考え,データを収集し,結果を考察して発表に至るまでの「研究」の一連の流れを体験してもらうことが主目的です.前置きが長くなってしまいましたね.

あいにくの雨となりましたが,初日は避難経路の案内からスタートしました.

 続けて朝倉先生の講義「海洋生物概説」です.海の生き物がいかに多様なのかを実感できたのではないでしょうか.このあと,顕微鏡の使い方レクチャーを受けて初日は終了です.

2日目はプランクトンの観察ですが,その前に北浜で漂着物の観察です.初日とは打って変わって日差しがまぶしい一日です。

ラボに戻ってプランクトンの観察です.久保田先生には、モニターを使いながら生きた状態の浮遊生物を解説していただきました.これは1部の実習内容。

その頃、4部の実習生は… シュノーケリングでケヤリムシを観察し,ムラサキクルマナマコに麻酔をかけておりました. 

3日目は付着生物の観察です.一言で付着生物といっても,コケムシやフジツボ,ゴカイの仲間や貝,そしてホヤに至るまでとても多様な生物を含んでいます.

実験所近くの磯で採集した付着生物の種同定に挑戦中です.

漂着した竹の表面に,カルエボシ(多分)が付着していました.こう見えても甲殻類.

今回採集できた付着動物と可動動物を書き出していきます.短時間の採集でしたが,なかなかのラインアップです.

その頃4部では… 笑顔でナマコの皮膚移植にチャレンジしたり,渋くケヤリムシの同定を進めていました.

4日目は干潟・河口域での生物採集と観察です.まずは河口の水門前で貝類や甲殻類を探します.実験所周辺の磯とは全く違う環境を体感できます.

そして干潟での採集です.写真ではわからないと思いますが,足下はアナジャコやチゴガニの巣穴だらけです.

ラボに戻ったら同定作業が待っています.バケツの中では順番待ちのカニがたくさん.

この日の成果はこのようになりました.黒板の右隅にもあるように,採集した生物のリストといくつかのグループに関しては同定のkeyとなる部分のスケッチ,そしてこの日の感想をレポートとして提出してもらいます.

一方、4部の実習生はメイオベントスを定量的に測定するための工夫を凝らしていました.

実習の様子は「その2」につづきます。

















May 19, 2017

INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON BIOLOGY OF EBI (PRAWN, LOBSTER, SHRIMP)

posted by AA

INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON BIOLOGY OF EBI (PRAWN, LOBSTER, SHRIMP)

 Dedicated to Dr. Kenichi Hayashi (Professor Emeritus, National Fisheries University, Shimonoseki), Honorary member, Carcinological Society of Japan 

 表記のシンポジウムが、日本甲殻類学会の鹿児島大会の際に行われました。元副会長で、2014年に名誉会員となりました林健一先生のご功績をたたえ、エビ類(エビ型動物)の次のシンポジウムが開催されました。



プログラム

23 Oct 2016

Organized by
Tadashi Kawai (Wakkanai Fish. Sta.), Takeshi Takenaka, Kazuyoshi Nakata (Okayama Univ)


OPENING ADDRESS
Akira Asakura (President, Carcinological Society of Japan)

KEYNOTE LECTURE
 Ken-Ichi HayashiEmeritus Professor, National Fisheries University, Japan: Studies on the shrimp by Japanese carcinologists in the late 19th and early 20th century

SYMPOSIUM PRESENTATIONS:
Marcy N. Wilder (The Japan International Research Center for Agricultural Sciences): Research on the elucidation of basic reproductive mechanisms in commercially-significant shrimp species, and applications to aquaculture technology development.
Jung Nyun Kim (National Institute of Fisheries Science, Korea): Zoogeography of shrimps and lobsters (Decapoda: Dendrobranchiata, Pleocyemata: Stenopodidea, Caridea, Astacidea, Achelata) in Korea.
Yixiong Cai (National Biodiversity Centre, Republic of Singapore): Atyid shrimps of continental Southeast Asia
Keiichi NomuraKushimoto Marine Park Center: How far could the alpeid shrimps fauna in Japan be grasped ?
Kooichi KonishiNational Research Institute of Fisheries Science, Fisheries Research Agency: A complaint on the terminology for crustacean larval study– conflicts between general and special –
Junji OkunoCoastal Branch of Natural History Museum and Institute, Chiba: Sequel topics on the specific and generic taxa of caridean shrimps established on the basis of “descriptive taxonomy”

CLOSING REMARKS
Tadashi Kawai (Wakkanai Fish. Sta.)



シンポジウムの先立ち、昨年この学会の名誉会員になられました諸喜田先生(琉球大学名誉教授)から、ご挨拶をいただきました。本来、諸喜田先生からのご挨拶は、昨年の学会でいただくべきところ、体調不良で入院されており、長く闘病生活を続けられておりました。ご回復、おめでとうございます。



会長による開会のあいさつです。





Prof. Tin-Yam Chan (Institute of Marine Biology, National Taiwan Ocean University) からミノエビHeterocarpus hayashiiの標本が林先生に贈られました。標本はProf. Peter Ng Kee Lin (National University of Singapore、写真左)から、林先生へと手渡されました。




Prof. Peter Ng Kee Lin (National University of Singapore)から、お祝いの言葉をいただきます。




林先生の基調講演。




Dr. Marcy N. Wilder (The Japan International Research Center for Agricultural Sciences)



Dr. Yixiong Cai (National Biodiversity Centre, Republic of Singapore): Atyid shrimps of continental Southeast Asia





左からDr. Jung Nyun Kim (National Institute of Fisheries Science, Korea)、 Dr. Yixiong Cai(National Biodiversity Centre, Republic of Singapore)、Dr. Marcy N. Wilder(JIRCUS)、林健一先生



May 17, 2017

祝! 山守瑠奈さん 貝類学会学生最優秀発表賞受賞!

by AA

 4月15日~16日に行われた日本貝類学会@白浜で、瀬戸臨海実験所をフィールドワークの拠点として利用されてきた京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程2年生の山守瑠奈さんが、学生最優秀発表賞を受賞されました。おめでとうございます!
 演題は「ニシキウズガイ科における貝殻の完全な傘型化ーハナザラのウニの巣穴への絶対住み込み共生ー」です。これからも大いに瀬戸臨海実験所をご利用ください。
 
Photo by Dr. 後藤龍太郎 (capturing a still image from video). Thanks!








Video by Dr. 後藤龍太郎. Thanks!

 これからも、大いに頑張って良い研究をされてください!



 


May 16, 2017

大垣俊一さんの命日に思う

posted by AA

 今年も5月8日、元瀬戸臨海実験所の院生であられた大垣俊一さんの命日がきた。自分は修士課程の大学院生があった時に、初めて瀬戸臨海実験所を訪れた。その時に、博士課程の院生であった大垣さんと、初めてお会いした。当時、大垣さんはアラレタマキビの長潮汐による活動パターンを調べておられて、そのフィールドを案内していただいた。大垣さんは岩礁のアラレタマキビの生息地である潮間帯上部に、いくつもの筒のようなものを岩につけられていた。中に水溶性のサインペンで書いた文字が書いてあって、そこまで潮が満ちると中のサインペンの文字が消えて、あとでチェックした時に、そこまで潮が満ちたことがわかる仕組みである。こうした工夫をしながら、大垣さんは丹念に調査をされていた。
 当時は大垣さんは、タマキビの研究を白浜でずっとされていただが、その後このタマキビガイに対するこだわりは、小笠原諸島の父島や北海道のタマキビガイの分布などにも現れている。
 その後、大垣さんは潮間帯性のさまざま貝類の生態の研究をされていた。またそうした研究の発展として、岩礁潮間帯のマクロベントスの長期変動の研究もされていた。大垣さんはまさに学究の徒であり、そのひたむきさ、ストイックさは、とても私などかなうものではなかった。
 大垣さんの研究業績リストは下記のリンクにあります。

 私が瀬戸臨海実験所に着任してから、すぐに大垣さんにe-mailを送った。2012年の1月、真冬のことである。大垣さんからは「暖かくなったら瀬戸実験所にお伺いします。お会いしましょう」と、すぐご返事をいただいた。しかしその4ヶ月あまりあとに、まさか訃報を聞くことになろうとは。
 関係者にあとから聞いた話では、このころすでに大垣さんのご病気は相当に進行しており、体調は悪化の一途を辿っていたということである。しかし、そうしたことは、私にはみじんも感じさせないe-mailの内容であった。

 本年、この白浜で、瀬戸臨海実験所の中野智之さんが中心となって日本貝類学会の大会が開催され、多くの貝類学者がこの白浜を訪れた。その中には、大垣さんと同時期に瀬戸臨海実験所で院生として過ごした方々のお顔もあった。

 もしも大垣さんが生きておられたら、この白浜で貝類学会の大会が開催されたことを、誰よりも喜んでくださったのではないかと思う。そう思うと、心に無念さが走る。今、お墓の中で大垣さんは、何を思うか。

 合掌。


May 9, 2017

International Symposium on Evolutionary Biology of Parasitic and Symbiotic Relationships between Molluscs and Crustaceans

posted by AA

  日本貝類学会と日本甲殻類学会の初の合同シンポジウムが、4月15日に和歌山県白浜のホテル「シーモア」で行われました。瀬戸臨海実験所が hosting しました。150名余りの参加がありました。

 シンポジウムの概略は下記を参照してください。

Prof. Jeffsさんです。題目は Oliver Trottier and Andrew Jeffs (Institute of Marine Science, University of Auckland, New Zealand): The Dangerous Mating Game of the New Zealand Pea Crab.
この方々の研究はNational Geographic でも取り上げられ、世界的に有名になりました。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/051200092/
 



Ryutaro Goto (Seto Marine Biological Laboratory, Kyoto University)  Living Together with Crustaceans: Evolution and Adaptation of Symbiotic Mollusks. 後藤龍太郎さんは、つい数ヶ月前までDepartment of Ecology & Evolutionary Biology, University of Michigan, USAにおられました。



Emiliano H. Ocampo (Institute of Marine and Coastal Research, University of Mar del Plata, Argentina).  Crustaceans as Inhabitants of Molluscan Hosts: from Commensal Guests to Body-Snatchers.   地球の裏側のアルゼンチンから5つのフライトを乗り継いで、このシンポのために来てくださいました。感謝!



Gyo Itani (Graduate School of Kuroshio Science, Kochi University) Parasitic Ecology of Peregrinamor ohshimai Associated with Upogebiid Shrimps



J. Antonio Baeza (Department of Biological Sciences, Clemson University, South Carolina, USA).  The Private Sex Life of Crustaceans Symbiotic with Molluscs: Model Systems in Behavioural Ecology. この方とは私は付き合いが古く、彼が学生のころ、アメリカの国際甲殻類学会で発表をし、私がその学生発表賞の審査員であったことがあります。それが最初の出会いで、以来、さまざまなところで顔を合わせています。2009年に私が東京海洋大学(品川)で国際甲殻類学会を催した時も、日本に来てくださいました。


Noriko Yasuoka and Yoichi Yusa (Graduate School of Humanities and Sciences, Nara Women's University, Japan).  演者の安岡法子さんは、定期的に瀬戸臨海実験所に来られてフィールドワークをされています。


Tetsuya Watanabe (Curator, Nishinomiya Shell Museum, Japan) and Yasuhisa Henmi (Aitsu Marine Biological Station, Kumamoto University, Japan). Life History of the Commensal Pea Crab Arcotheres sp. Living in the Bivalve Barbatia virescens.  



皆さんで記念撮影。右端は日本貝類学会会長の大越健嗣東邦大学教授です。

シンポジウム前日の宴会風景。瀬戸臨海実験所にて。貝類学会の若手会の皆さんと一緒です。
Thanks! 中山凌さんと若手会の皆さん。


すべての日程が終了したあとの、お疲れ様会の様子です。

Special thanks: photos by 河村真理子さん(京都大学瀬戸臨海実験所)

May 8, 2017

日本貝類学会平成29年度大会 at 白浜

posted by AA

 日本貝類学会の平成29年度の大会が、白浜で行われました。大会委員長の瀬戸臨海実験所の中野智之助教のリーダーシップのもと、150名あまりの参加を得て、大盛況でした。
 以下に写真でご報告します。
 Special thanks! お写真の提供を受けた大越健嗣 日本貝類学会会長、瀬戸臨海実験所の河村真理子さん。


会場は白浜にあるホテル「シーモア」です。 



口頭発表の会場です。
大会委員長の中野智之さんです。

口頭発表の会場です。 





ポスターセッションの様子。



ポスターセッションの様子。

 



大学院生のみなさん。大活躍でした。お手伝いありがとうございました。


大学院生のみなさん。大活躍でした。お手伝いありがとうございました。


左:大越健嗣 東邦大学教授(日本貝類学会会長)。中央:奥谷喬司(日本貝類学会名誉会長)。右:AA朝倉彰

懇親会の様子。中野さんの司会で進んでいきます。

懇親会の様子。恒例のクジによる貝のプレゼント