瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Dec 15, 2017

奈良女子大学 臨海実習(2017 6/6-10)

posted by TPS

6月6日から10日まで,奈良女子大学の臨海実習が行われました.

この実習では,磯観察・プランクトン観察・磯生物を扱った自由研究と発表・海藻の観察・タイドプール調査と発表を実質4日間でこなします.え,4日で?というくらい濃い実習です.

初日はオリエンテーションのみで終了です.前回の和歌山大もそうですが,奈良女の実習も天気に恵まれないことが多いようです.季節がらなのか,それとも....

翌日からフィールド調査がはじまりました.天候は雨です.みなさん雨合羽を装備して海岸へと向かいました.

これだけそろうと壮観ですね.なかなか見られない何かの儀式に向かうかのようなカッパ隊の行列です.このあと数枚はカッパ隊の写真が続きます.

遊佐先生から磯生物の帯状分布について解説を受けるカッパ隊です.この場所は写真では完全に干出していますが,満潮時には海面下となる潮間帯です.


岩場につく牡蠣やヒザラガイについての解説をメモするカッパ隊(しつこい).個人的に言葉の響きが気に入りました.

天候は良くありませんが,潮が引き,風がないので観察はしやすかったでしょう.海藻が消え始める時期なので,足元は岩肌が目立ちます.

タイドプールの解説に聞き入るカッパ...実習生です.奈良女のみなさんは,吸収が早いのでとても助かります.この日のタイドプールでは,右の写真のようなコシダカさんが5個体もみつかりました.

ラボに戻るとプランクトンの観察が待っていました.天候のせいもあって,自分たちで採集することはできませんでしたが,技術職員の方々のご協力で2地点のプランクトンを観察できました.

湾内と外海に面した場所でプランクトンに違いはみられるでしょうか.

今回はこんなプランクトンがみつかりました.左はお馴染みのベリジャー,右は群体ホヤのオタマジャクシ型幼生です.いつもみかけるオタマボヤとの違いが明瞭ですね.先端の3本の棒が付着器です.

















Dec 13, 2017

和歌山大学臨海実習(2017 4/7-11)

posted by TPS

半年遅れですが,これから2017年度の実習についてブログで報告していきます.今年度のトップは4月7日から11日まで実施された和歌山大学の臨海実習です.

和歌山大の実習は,いつもコンテンツが盛りだくさんです.今回は定番の磯の生物採集に加えて,ビーチコーミングや昆虫採集,バードウォッチングも組み込まれています.

しかし...,和歌山大の実習は何故か天候に恵まれません.季節がら天気が安定しないというのももちろんですが,何かそれ以外の原因も....これは自由研究にできるかも?

ということで,本来はバードウォッチングの予定だったのですが,小雨の中でビーチコーミングとなりました.左は北浜,右は南浜の写真です.前日からの荒天で,漂着物の量も多めです.

雨も強めになりましたが,完全防備で南浜にも出陣です.なんだかカッコいい写真が撮れました.

打ちあがったものは主に海藻のようです.中には謎の魚卵が産み付けられた漁具の破片のようなものもありました.

収集した漂着物は実験所に持ち帰り,同定作業を行いました.貝殻や海藻が多いため,なかなか苦労しています.

両方の浜で収集したものが,黒板にリストアップされました.悪天候の中とはいえ中々の成果でした.

午後からは水族館も利用して魚類の機能形態を学びます.瀬戸臨海実験所では以外に貴重な魚類を扱う実習です.

岩田先生によって事前に用意された課題の答えを水族館で探し出します.鰭の位置や形状,使い方をしっかり観察してみてください.

この魚種は「どちらが上なのか?」でみなさん迷っていたようです.なるほど,そんな発想があったか....

今回はナイトアクアリウムも実習の内容に組み込まれていました.昼と夜の行動の違いや,種類によっては発光する様子なども観察できました.

翌日は実験所周囲の磯観察からスタートです.やっと天候が安定してきたので,タイドプールも覗けます.

塔島をバックに円陣を組んでいるようにも見えますね.遠目には何かの儀式にも...

よくみるとアオモグサの群落で採集中でした.こういった海藻の根元に様々な生物が潜んでいるのです.

この日の午後は昆虫採集も行いました.写真のような楯と剣で,いや棒とビーティングネットで枝葉についている昆虫を叩き落として採集します.

蝶類を採集した際には,翅に傷がつかないよう三角紙で保管します.みんなで折り紙をしているようにも見えますが,れっきとした採集準備です.

実験所の周囲で網をふります.割と広めの草地が広がっているため,簡単に昆虫が採集できちゃいます.

採集した昆虫をケースに移す作業が一番大変かもしれません.逃がした時の悲鳴があちらこちらで湧き上がりました.

早朝にバードウォッチングをした結果と,昆虫採集の結果です.どうでしょう,知らない名前はありますか?実物を見たいなら,ぜひ実習に参加してみてください(宣伝).

和歌山大の実習は本当に盛りだくさんです.夕飯までの2時間を利用して,写真からの鳥類の同定に挑戦です.机上の写真の山から5枚を選んで同定してもらいました.

写真から得られる情報は,形態と色彩,そしてサイズや生息場所などです.それらからkeyとなる形質を選ぶのも至難の業です.しかも国内産だけではないという高難度!

各自が黒板の〇を5つそろえるまで,とてもとても苦労していました.種名を書いては横線で消され,書き換えてはまた消され....実に楽しい内容でした.またやってほしい課題のNo.1です.

4日目は畠島での磯採集(主に海藻)です.なんとか天候も回復し,無事に上陸できました.畠島分室にある伝説の黒板から生息環境の説明を受けて,いよいよフィールドに出ます.

バケツを片手に戦場に向かう雄姿です.いやぁ晴れてよかった.

この日は潮もよく引いていて,小丸島のさらに先端部分にある岩礁域まで行くことができました.始めは濡れないように注意していたのですが,ここまでいったらもうあきらめがついたようです.

採集を楽しんでくれたようで何よりです.

実験所に戻ってからは,もはや定番のソーティングと同定祭りです.ゴミや余計な塩分を取り除き,標本にしていきます.

写真のようにケント紙の上にきれいに広げて押し葉標本を作っていきます.これ,きれいにできると結構うれしいですよ.

実習5日目のメニューは顕微鏡をもちいたプランクトン観察です.廣瀬先生による生物顕微鏡の使い方レクチャーを受けてから観察を始めます.

観察対象のプランクトンは前日の夜に灯火採集で採集しておいたのです.なかなか寒かった!

図鑑を調べながらのプランクトン観察です.昨日の努力のおかげで,右の写真のような寄生性のカイアシ類も見つかりました.なかなかのレアものです.

この日は蛇毒の専門家として著名な杜祖健先生の特別講義などもありました.研究内容のおもしろさもさることながら,研究への取組方なども大変参考になる講義でした.こういう機会は中々ないので,今回の実習は”ラッキー”でしたね.

この日で実習のプログラムはすべて終了です.繰り返しますが,本当に盛りだくさんの実習でした.お疲れ様です.

実習の後はおまちかね(?)の打ち上げです.本当はもっとにぎやかだったのですが,写真を撮る暇もなく.ミスターカロリーだけは忘れません.もう一度お疲れ様でした.