瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Aug 30, 2016

和歌山大学臨海実習 (4/6-11)

Posted by TPS

2016年4月6日~11日にかけて,和歌山大学の臨海実習がおこなわれました!

 本実習はコンテンツが盛りだくさん!プランクトンの観察,藻類の採集と押し葉標本作成,畠島での生物採集と同定,水族館にて魚類の機能形態観察,潮間帯生物のコドラート調査,番所山での陸上植物の観察などが行われました.臨海実習のほぼフルメニューです。



まずは廣瀬先生からの顕微鏡の使い方レクチャー。



初日は天候が荒れ模様だったので、前日北浜で採集したプランクトンを観察中。



この日、水族館で飼育中のツノダシヒシガニがゾエア幼生を放出!これも観察してもらいます。



続いて海藻の内部構造の観察です。ニワトコのピスをもちいた切片の作り方を伝授。



そしてまた一人、切片職人が誕生したのです!




2日目は畠島での採集です!古賀先生による採集前のレクチャー。



その者蒼き衣を纏いて金色の野(フクロノリ)に降りたつべし…。



今年の畠島は少々海藻の成長が遅かったようです。和大のみなさん、何種類覚えていますか?




採集した藻類を押し葉標本にしていきます!



繊細に…!



アーティスティックに!




3日目は水族館を利用した魚類の機能形態観察です!



鰭のつく位置や歯の形状の違いなどを観察し、レポートとして提出してもらいました。



午後からはさらにフィールドへ!番所崎での採集です。



採集した藻類は仕分けして再び押し葉標本に。



そして4日目もやっぱりフィールド!生物の帯状分布についての説明です。



ガイドブックも活用してコドラート調査。




なんと最終日も午前中はフィールドへ!番所山で陸上植物の観察です。



木彫りの蛇(猿じゃない!)とともに。このあと、これがポケストップになるとは知る由もなく…。



恋人の鐘を鳴らしながら実習終了です。お疲れ様でした!


Aug 28, 2016

The Lee Kong Chian Natural History Museumでの標本調査研究


posted by AA

 日本に分布する甲殻類のうち(分類群にもよりますが)、60~70%の種が、黒潮流域から西部太平洋~インド洋にまで分布します。 また日本の種は、その研究の初期においてヨーロッパやアメリカの研究者によって研究されたため、日本産種が新種として発表された時の証拠標本(タイプ標本)のかなりのものが、欧米の博物館に保管されています。

 そのため日本の甲殻類の分類学の研究をしようと思ったら、広く西部太平洋~インド洋産の標本を研究する必要があります。またタイプ標本の調査には、ヨーロッパやアメリカの博物館を始めとする世界の各地にあるタイプ標本を所蔵されている大型の博物館に出かけなければなりません。

 The Lee Kong Chian Natural History Museumは、東南アジアの甲殻類の標本を多数所蔵し、その標本を調査研究することは大変に重要であり、役立ちます。それで、今回、その博物館を訪問してきました。

 

世界のいろいろな人が来て、人が標本の調査研究をしています。 左端の茶色のシャツの人がアメリカのProf. Peter Castro (California State Polytechnic University)、一人おいてデスクの右端で顕微鏡をのぞいているのがオーストラリア博物館のDr. Shane Ahyong、その右に立っている青いシャツの人がアジアの巨人Prof. Peter Ng.



向かって左がオランダ国立自然史博物館のDr. Sancia van der Meij。瀬戸臨海実験所alumnusの座安佑奈さんと共同で、サンゴヤドリガニの系統分類の研究をしています。 向かって右が、東南アジアのヤドカリ類の分類学の第一人者であるProf. Dwi Listyo Rahayu (Research Center for Oceanography, Indonesia)。



Rahayuさんと私は、瀬戸臨海実験所の前の所長である白山義久教授がされていたNaGISAプロジェクトで、インドネシアの海岸域のヤドカリ類の図鑑を作りました。[Common Littoral Hermit Crabs of Indonesia (2009) D.L. Rahayu and A.J. Wahyudi.   A. Asakura (Supervisingg Editor).  Susetiono and Y. Shirayama (eds.)] 白山先生の全世界的プロジェクトであるNaGISAには、世界のあらゆる地域の研究者が参加しています。白山先生は100年に一人ぐらいしか現れないような、天才的研究プロモーターですね。







甲殻類の標本棚。集密棚に太平洋、インド洋のさまざまな地域の甲殻類が、分類群ごとに整理されています。


















Aug 19, 2016

想像以上のサンゴ群集の複雑さが明らかに! OISTニュース

posted by AA

 瀬戸臨海実験所alumnusである座安佑奈さんが現在所属する沖縄科学技術大学院大学(OIST)マリンゲノミックスユニットでの、座安さんらの最新の研究成果が、OISTのホームページに掲載されました。
 おめでとうございます。

下記にその記事があります。 座安さんへのインタビューも掲載されています。




この成果をあげた研究チーム。(左から)新里宙也博士、座安佑奈博士、中島祐一博士。 転載元OIST. https://www.oist.jp/ja/news-center/photos/26282


撮影:座安佑奈。本人の許可を得て掲載。

Aug 18, 2016

シンガポールでの学会 The Crustacean Society Mid-year Meeting(その2)


posted by AA

 シンガポールでの The Crustacean Society Mid-year Meetingのようす(続き)です(写真は一部、大会委員会撮影のものを許可を得て使わせていただいております)



会場となったシンガポール大学のNgee Ann Kongsi Audetorium 




Plenary sessionには次の講演がありました。

Plenary 1: Fun with fiddler crabs: model organisms for hypothesis testing
Plenary 2: The role of Hox genes in crustacean development and evolution
Plenary 3: From NGS barcodes to water eDNA: how next-generation-sequencing will help with biodiversity exploration and monitoring



全体には次のようなセッションがありました。

Session 1 – Symposium on Crustacean Behaviour
Session 2 – Ecology
Session 3 – Biodiversity and Biogeography
Session 4 – Systematics (Part 1): Phylogenetics
Session 5 – Biology & Evolution
Session 6 – Symposium on the Biology of Barnacles
Session 7 – Systematics (Part 2): Taxonomy
Session 8 – Conservation of Brachyuran Crabs
Session 9 – Special Session on Southeast Asian Carcinology



今回の組織委員会代表をつとめられたDr. Darren CJ Yeo (National University of Singapore)。シンガポールの新進気鋭の甲殻類研究者です。開会の挨拶をしました。




現在のThe Crustacean Society の会長であるBrian Tsukimura さん(California State University, USA)。日系4世の方です。




Shirley Lim さん(Nanyang Technological University, Singapore)。次期のThe Crustacean Society の会長です。



Shirley Lim さんはPlenary talkも務められました。この方はスナガニ類を始めとして、手広く十脚甲殻類の生態学の研究をしています。猛烈に精力的な方で、生物学国際オリンピックの委員も務められていて、この学会が終わるやいなや、ベトナムに出かけられていました。


私は午後のセッションの司会進行役。



日本人にもおなじみのHsi-Te Shihさん (National Chung Hsing University, Taiwan)。オカヤドカリ類の系統分類の発表をされていました。


淡水エビの分類学で知られるYixiong Caiさん(National Biodiversity Centre, Singapore)。日本でも琉球列島のエビの研究をされていました。





参加者全員の集合写真です。





ポスターセッション。左奥の白髪の人はオランダの C.H.J.M. Fransenさん(Naturalis Biodiversity Centre, Leiden, The Netherlands。以前 ライデン自然史博物館と言っていたところで、シーボルトの収集による日本産の甲殻類の標本が多数所蔵されているところです)。






Dwi Listyo Rahayuさん(Indonesian Institute of Sciences, Lombok, Indonesia)。東南アジアのヤドカリ類の分類学の第一人者です。若い頃フランスに留学されていて、世界的に高名なヤドカリ類の分類学者であるJacques Forest氏 (Muséum national d'histoire naturelle, Paris.  1920 – 2012)に師事されていました。

Western Australian Museumの高名な十脚甲殻類研究者であるDiana Jonesさん。現在は同museumのExecutive Directorを務められています。




瀬戸臨海に滞在中のAmr Zeina氏(Al-Azhar University、エジプト)の発表の様子です。


懇親会の様子。手前左は高名なアナジャコ類を始めとする甲殻類の分類学者のGary Pooreさん(Museum Victoria, Australia)



懇親会を進行させるTCS会長のTsukimuraさんと次期会長のLimさん。




今回のシンガポールでの学会を記念して、アジアの巨人ことシンガポール大学教授のPeter Kee Lin Ng さんに、記念品が送られました。この方が現れたおかげで、東南アジアの十脚甲殻類を始めとする甲殻類の研究が著しく進展しました。



Peter Kee Lin Ng さんの挨拶。
Acknowledgements
    
    Special thanks to the organizing committee of TCS Mid-year Meeting for permission to use photographs.   ©TCS Mid-year Meeting, Singapore