瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

May 30, 2016

白眉 / K-CONNEX 合同合宿

投稿:KK


光山センター長のご挨拶、所長より瀬戸臨海実験所の歴史の紹介がありました。


久保田先生からのご挨拶もお願いしまして、
一同笑いに包まれたあと、

お題「研究・生活において心底面白いと思っていること」として白眉研究者たちの発表がありました。みんなエッジが効いていて面白い!

原村さんの卵の行動学について(え!? 卵って行動するの!?)


水族館ツアーを加藤さんにお願いしました。まるで、修学旅行。


加藤さんから熱のこもった展示水槽の解説。


バックヤードツアーもやっていただきました。
特別に閉館後に1時間延長していただいて、ありがとうございました!



ツアー後、夕日を眺めながら、ホテルむさしへ皆で歩いて行きました。

夕食時には、光山先生から、「革新的な研究というものは、そのときはどういうものか分からず、10年、20年経ったあとで、ここで研究の流れが変わったよね、と事後的に確認できるものにすぎない。そのとき一過的に革新的だと騒がれているようなものは、ほんとうはどうか分からぬものだ」という主旨のお話があり、一同深く頷いたのでした。



そして、語り合う夜はつづき...



二日目は、白眉側3人、小川先生からのご挨拶のあと、
K-CONNEX側から9名の発表がありました(なかなかいい写真がとれなくて一部でスミマセン)。

置田さん。

小川先生。

木野さん。




最後に集合写真をパチリ。



May 15, 2016

日本の貝類学の最重鎮、奥谷 喬司先生とお会いする

posted by AA

 
 千葉県の船橋市にある東邦大学で開かれた日本貝類学会に行ってきました。そこで、日本の貝類学の最重鎮であられる奥谷喬司先生に、お会いしました。

   
懇親会でご挨拶される奥谷先生(右)。 左は現在の日本貝類学会の会長の大越健嗣東邦大学教授。


 奥谷先生は国立科学博物館、東京水産大学(=東京海洋大学品川キャンパス)などで、長年にわたって貝類の分類、生態などのご研究をされてきました。驚くべき仕事の早い方で、多数の論文、多数の図鑑や啓蒙書を執筆されているので、非常に多くの方がご存知かと思います。

 日本貝類学会の会長を長くつとめられ、学会誌Venusの編集長も長くつとめられて、同会の発展に多大な貢献をされてきました。

 いつもほがらかで、気さくな方です。先生の著作では、1931年生まれとなっていますから、もう85歳になられるわけですが、今も元気いっぱいという感じです。

 奥谷先生は日本貝類学会から名誉会長の称号を受けておられます。
  日本貝類学会に関する情報は下記です。



 私は若いころ、貝類の研究もしていましたが、下記の私の論文は奥谷先生のご指導をいただいて作成されたものです。

Asakura, A., and S. Nishihama (1987a)  Studies on the Biology and Ecology of the Intertidal Animals of Chichijima Island in the Ogasawara (Bonin) Islands II : Description, Distribution, Size Structure in the Population, and Allometric Growth of the Limpet, Notoacmea schrenckii boninensis n. subsp. Venus : the Japanese Journal of Malacology 46(4), 182-193, 
  この論文のダウンロードは下記。

Asakura, A., and S. Nishihama (1987b)  Studies on the Biology and Ecology of the Intertidal Animals of Chichijima Island in the Ogasawara (Bonin) Islands III : Description, Form and Habitat of the Trochid Snail, Monodonta perplexa boninensis n. subsp. in Comparison with those in Monodonta perplexa perplexa (Pilsbry).  Venus : the Japanese Journal of Malacology 46(4), 194-201.
  この論文のダウンロードは下記。



また「千葉県の自然誌第7巻, 奥谷喬司編, 『千葉県の海の動物』」においても、大変お世話になりました。この本の概要は下記。
 



May 11, 2016

国際甲殻類学会夏の大会のお知らせ

posted by AA


 今年の国際甲殻類学会の夏の大会は、シンガポールで開催されます。ふるってご参加ください。
7月11-13日です。

  詳細:  http://www.tcs2016.com/index.html

主催者のメッセージ

Welcome Message

We are proud to announce that the 2016 mid-year meeting of The Crustacean Society will be held at the National University of Singapore from 11th to 13th July 2016. This is the first time that a major crustacean science meeting is being held in Singapore, which has a long and active association with carcinological work, and we look forward to hosting you here. 

 引用元


copyright: TCS Singapore Meeting

場所はNational University of Singaporeです。

詳細は http://www.nus.edu.sg/



Plenary speakerは次の方々です。

 Shirley SL Lim (Nanyang Technological University, Singapore) – Intertidal marine ecology, environmental biology 

 Nipam Patel (University of California, Berkeley, USA) – Evolutionary developmental biology

  Rudolf Meier (National University of Singapore, Singapore) – Evolutionary biology, numerical phylogenetics, DNA-based taxonomy 


会期中に次のシンポジウムが開催されます。

Symposium "Barnacle Biodiversity, Biology and Ecology"
Organisers: Diana Jones and Benny K.K. Chan 

   Barnacles are one of the major groups of crustaceans and play important biological, ecological and economical roles in human society. This symposium would like to gather barnacle workers together to present their latest research findings, in an attempt to summarize recent developments in the fields of barnacle biology and ecology.


Symposium "The Behaviour of Crustaceans"
Organiser: Peter Todd 

   Animal behaviour is a critical link between organism and environment. Crustaceans have been demonstrated to exhibit complex behaviours, often related closely to their distinctive morphologies. This symposium will accept papers on all aspects of crustacean behaviour, including behavioural ecology, sociobiology, ethology, locomotion and migration, larval behaviour, animal colouration, and sensory ecology. 


参加費は下記です。

Type of participant  Early Bird (-15 May)  Standard (16 May-)  
TCS member         SGD 650       SGD 700  
Non member         SGD 800       SGD 850  
TCS student member     SGD 450       SGD 500  
Non TCS student member  SGD 500       SGD 550  
Accompanying person                           SGD 150



  参加申し込みは下記サイトより

May 4, 2016

大垣俊一さんの命日にあたって

posted by AA

 5月となり、今年も瀬戸臨海実験所の卒業生である大垣俊一さんの命日が巡ってきました。そのことで思うことを書きたいと思います。

 大垣さんは、長く瀬戸臨海実験所近隣の岩礁の潮間帯に生息するマクロベントスの挙動を、研究されてきました。 それで取られたデータは極めて膨大で、おそらく個人の研究成果として、ある場所に根差した研究としては、まれにみるものでありましょう。 その成果の一つは下記のようなタイトルでPublications of Seto Marine Biological Laboratory, Special Publication Seriesの中で刊行されています。

 A Record of the Intertidal Malacofauna of Cape Bansho, Wakayama, Japan, from 1985 to 2010

 フリーダウンロードのページは下記。





このほかにも膨大なデータが未発表のまま残されています。 またその中には、現在の瀬戸臨海実験所のスタッフによって継続調査がなされているものもあります。

大学院生が個体群動態や群集の動態を研究する場合、大学院の年限に制限を受けるため、2年から最大でも4年くらいのスパンの研究になってしまいます。 しかし個体群や群集の動態というのは、もっとはるかに長いスケールで変化することが多く、真の動態論に近づくためには、長期的な調査が必要になります。 こうしたことを目指して、瀬戸臨海実験所では、畠島の岩礁潮間帯で1968年より「海岸生物群集一世紀間調査」というのが、行われています。

その説明は瀬戸臨海実験所のホームページの「畠島」のページに出ています。

以下一部引用--------------------------------------------------

1968年より始められた畠島の「海岸生物群集一世紀間調査」は、所員および他教育機関の調査員によって、現在も継続されています。5年ごとの春季に行われる全島調査では、畠島の43区域において、指定された大型底生動物86種の分布密度を記録し、動物相の時間的な変化を観察しています。また、南岸調査では、観察された全ての動植物も記録しています。近年4回の調査記録は、実験所OBの大垣俊一博士によってまとめられ、関西海洋生物談話会連絡誌 “Argonauta” より閲覧できます。2013年に行われた最近の調査の様子は公式ブログよりご覧いただけます。
引用ここまで--------------------------------------------------

 近年海洋生物の長期的変動の要因として注目されているのが、レジームシフトです。水産業では古くから魚種交代とよばれる現象が良く知られており、マイワシ,マサバ,カタクチイワシ,マアジ,サンマなどの大衆魚とよばれる漁獲高が著しく高い魚種において、ある魚が取れなくなると別の魚が取れるようになるというサイクルが見られることが、あります。 千葉県の九十九里浜は昔からイワシ漁業がさかんですか、江戸時代からその地域のイワシの漁業をつかさどる組合があり、その売上台帳の記録から、イワシは10~20年の豊漁期間が続くと、そのあと20~30年は捕れない時代が続くという長期変動を繰り返していたことがわかっています。

 その要因としては、人間の取りすぎ、他の魚種との競争関係など、いろいろな説がありましたが、近年、重要な要因として考えられているのがレジームシフトです。これは、気候のジャンプともよばれていますが、地球規模で温暖レジームと寒冷レジームが長期的に繰り返されており、それにリンクしている形で魚種交代が起きている、というものです。

 大垣さんの理念であった「長期調査によって群集の動態を明らかにする」ということは、こうしたことの解明にも寄与するであろう先見の明と言うべきものでしょう。

 以下の写真は2013年の調査からのものです。











May 2, 2016

祝! 和田葉子さん、学位取得 就職

posted by AA

  瀬戸臨海実験所は平成23年度より教育関係共同利用拠点(事業名:黒潮海域における海洋生物の自然史科学に関するフィールド教育共同利用拠点)として文部科学省から認定され、各種共同利用事業を進めています。本年度はこの第二期事業の初年度にあたり、今後また5年間継続してこの事業を進めます。 

 この教育拠点共同研究員として、当実験所をフィールドワークの拠点として活用されている和田葉子さん(奈良女子大学大学院)が、博士号の学位を取得されました。おめでとうございます!学位論文のタイトルは、The roles of indirect interactions in a marine ecosystemで、野外実証実験をベースに、間接相互作用が海洋生態系で果たす役割を明らかにした研究をまとめました。

 また和田さんは、4月1日付けで奈良女子大学理系女性教育開発共同機構(Collaborative Organization for Research in women's Education of Science, Technology, Engineering, and Mathematics) の、特任助教になられました。 おめでとうございます!

 理系女性教育開発共同機構の案内は下記です。