瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Apr 21, 2016

祝! Zakea Sultana さん、JIRCUSに研究員として就職!

posted by AA

 三月末に博士号を取得されたZakea Sultana さんが、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)(農林水産省所管の国立研究開発法人)のMarcy N. Wilder博士の研究室(東京大学准教授兼任)の契約研究員になられました。JIRCUSは、日本の農林水産業研究分野での国際貢献と連携の中核的な役割を担っています。
 Marcy N. Wilder博士の専門は甲殻類、特にクルマエビ類の養殖にかかわる研究や病理の研究を行っています。

JIRCASの概要はこちら

Wilder博士の経歴はこちら


おめでとうございます!

学位授与式での師弟


  

Apr 12, 2016

公開臨海実習「藻類と海浜植物の系統と進化」が開催されました。

posted by kotsubu

2016年3月10日から15日まで、瀬戸臨海実験所にて公開臨海実習 (藻類と海浜植物の系統と進化)が行われました。この実習は長年、京大農学研究科の鰺坂教授が海藻についての講義をされてきました。しかし、今年で鰺坂先生はご退官されるために、今回が最後の実習となりました。その時の記録をダイジェストで。
紅藻について説明。みんな熱心に聞いています。
海藻採集。
採れた海藻を観察します。
ウミトラノオ、ウミウチワ、カゴメノリ、アオモグサ、ムカデノリ…覚える名前がたくさん。

ニワトコの枝に切れ込みを入れ、海藻を挟んで切る、切片の作り方説明。熟練の技。黒板の細胞イラストも素晴らしい。
番所崎のタイドプールで、毎年恒例の調査。バケツで海水をくみ出し (大変!!)、海藻の分布を記録。
今年はなぜか海藻が少ない。
調査結果の発表。気合の入った説明してます。海藻が少ないせいか、タイドプール
ごとの違いが現れにくく、皆さん頭をひねって考察してました。

海藻の次は、海浜から浅い海に生息する被子植物についての講義が始まります。

ハマダイコン、栽培種のダイコンと区別がつかないくらいに近縁。とったどー!

石垣から生えるハマアザミやハマボッスなどについて説明

番所崎、こんなところに抜け穴が。
海浜植物ではないけれど、珍しい食虫植物コモウセンゴケ。崖上の湧水 (真水)近くから生えていた。
班ごとに自分たちで研究テーマを決め、植物からデータをとる。
発表会、鋭い質問とコメントが飛び交います。
最後はいつもの打ち上げ、ではなく反省会。

Apr 6, 2016

共著論文が出ました

posted by KM

私が代表者を務めるカイヤドリウミグモ科研費チームの論文が一本出版されました。私も共著者として名前を連ねております。
T. Tomiyama, K. Yamada, K. Wakui, M. Tamaoki & K. Miyazaki (2016) Impact of sea spider parasitism on host clams: relationships between burial patterns and parasite loads, somatic condition and survival of host. Hydrobiologia 770 (1): 15-26.
東京湾で発生したカイヤドリウミグモの大量寄生に起因するアサリの斃死に関して、アサリの多くが地上に出た状態で死んでいたという現象に着目し、ウミグモの寄生がアサリの潜砂深度を浅くすると共に栄養状態を悪化させることを、室内実験と現地調査で検証した内容です。

この論文の筆頭著者である冨山毅さんは、東北大の大学院から福島県水産実験場に入り、2009年に松川浦のアサリでカイヤドリウミグモの寄生が確認された時には、現場にある水産実験場相馬支部に勤務されており、そこから私及びカイヤドリウミグモとの縁が出来ました。2011年の大震災の際には、津波により支部の建物が完全に破壊されながらも、奇跡的に助かるという経験をされています。その後2012年に広島大学生物圏科学研究科に准教授として着任され、引き続きカイヤドリウミグモの寄生生態を研究テーマの一つとして続けられています。

カイヤドリチームは、昨年は学会発表を数多くこなしてきましたが、来年度が科研費の最終年度ということもあり、今年はそれぞれの成果の論文出版に注力しています。今後の成果の紹介に乞ご期待下さい。

Apr 4, 2016

雪のふりしきる北海道へ

posted by AA

 北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-の役員をやっているので、春だというのに雪のふりしきる北海道に行ってきました。白浜を出た時の気温が20度で、札幌に着いた時が0度!でした。




©北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-のホームページより
http://www.fsc.hokudai.ac.jp/

このセンターについて
  引用元

引用ここから ------------------------------

 北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-は、2001年4 月に、農学部と理学部・水産学部に所属していた生物系の附属施設を統合して設立された教育研究組織です。本センターには、北海道大学の「森林−耕地・緑地−海域」に関係する多くの施設やフィールドが統合されています。本センターの教育研究は、農林水産業の一次産業としての生物生産や土地利用と地域および地球規模での環境保全のあり方や、生物多様性や自然環境・原生自然の保全、さらには地域再生などが中心課題となっています。これらの課題へのとりくみを通じて、生物生産や環境保全研究には不可欠とされる、フィールドを基盤とした研究の構築とデ-タの収集、基礎研究も含めた問題解明と解決策の検討、実践をとおしての実証といったフィールド科学の体系化を目指しています。

本センターは森林圏・耕地圏・水圏の3 ステーションから構成されており、各ステーションには7つの研究林、農場・牧場・植物園、そして臨海実験所・水産実験所・臨湖実験所・淡水実験所など、合計16 の施設・フィールドが存在しています。教育研究組織は、フィールドを中心とした学際的な教育研究の推進を目的に、専門分野横断型の編成を行い、生物資源創成領域・共生生態系保全領域・持続的生物生産領域・生物多様性領域・生態系機能領域・生物群集生態領域の6 つの領域を設定しています。

引用ここまで ------------------------------


 キャンパス内は、雪がふりしきり、風が強く、ふぶいていました。












 札幌で、ラーメンを食べて帰ってきました。

Apr 3, 2016

本年の神戸賞の受賞者が発表になりました!

posted by AA


 私が審査員をつとめる神戸賞の受賞者が決まりましたので、お知らせします。

(Special thanks.   神戸市立須磨海浜水族園の許可を得て転載)
  引用元



「母娘協力して子育てを行うカニの研究」

 神戸市立須磨海浜水族園では、この度、第6回神戸賞の受賞者を決定しましたので、ご報告いたします。受賞者は、母ガニの子育てを先に生まれた娘が手伝うという奇想天外なカニを見つけ、その生態をまとめたRudolf Diesel博士です。
 研究テーマとなったこのカニは、ブロメリアガニMetopaulias depressusというジャマイカの熱帯林に固有の陸生のカニで、母カニが子ガニを育てるだけでも驚きなのですが、なんと最初の卵から生まれた娘カニがヘルパーとして、弟妹カニの世話を手伝います。子育ての仕方自体が興味深いものですが、このような真社会性を持つカニは他には知られておらず、どのように社会性を獲得したのか、進化学的な視点から読み解くにも大きなヒントを与えてくれました。
 今回の授賞を記念して、園内ではサイエンスカフェを、神戸市内のホテルでは受賞式および記念講演会を開催し、市民の皆様にDiesel博士の講演を聞いていただく機会を持たせていただきます。より多くの皆様に水生生物と研究の面白さに直に触れていただければと思います。



*神戸賞とは
 研究活動と社会教育活動に力を入れる当園が、2010年に新設した国際的な顕彰制度。
 水圏生物における調査研究活動の発展、自然環境保全に対する意識向上、神戸市のアピールにも貢献するべく、水圏生物学や生物多様性の分野において目覚ましい業績をあげた研究者を表彰し、副賞として100万円を贈呈。
 日本を代表する海洋生物学者で組織される選考委員会によりノミネート、最終選考が行わ
れる。


1.受賞者
 Rudlf Diesel(ルドルフ・ディーゼル)博士
 (High-Speed Camera Productions, ScienceMedia Film Productions

©Rudolf Diesel&神戸市立須磨海浜水族園

マックスプランク研究所(ドイツ)で海産のカニの個体群動態、繁殖システム、精子競争に関する研究を行い、1985年に博士号を取得。その後、マックスプランク研究所、ビーレフェルト大学でジャマイカに生息するSeramid科のカニの生態を研究する。 カンタベリー大学(NZ)、マックスプランク研究所を経て、自然映像撮影会社ScienceMediaを設立。博士の撮った自然ドキュメンタリー映像や写真はドイツ国内メディアのみならず、BBC Wildlifeやナショナルジオグラフィック誌、NHKをはじめとする世界各国のメディアから配信されている。


2.受賞対象研究
 「ブロメリアガニの社会的繁殖システム」
 中南米の島国ジャマイカの固有種で森林地帯に暮らすブロメリアガニはその生涯のほとんどをブロメリアの上で過ごす。

©Rudolf Diesel&神戸市立須磨海浜水族園


 子育てもブロメリアで行い、年に一度、春になると葉の根元に出来た雨水のプールにゾエア幼生を放ち繁殖する。生まれた子どもは稚ガニに変態した後も1年以上も生まれたブロメリアの上で、母ガニに世話を受けるという特異な生態を持つ。さらに驚くべき点は、最初のパッチで生まれた中から1匹ないし2匹のメスが生まれたブロメリアにそのまま留まり、弟妹ガ二の世話を手伝う点である。このような真社会性を持つカニは他には知られていないばかりか、稚ガニに変態した後も子どもの世話をするカニも非常に稀であり、1年以上となると他に例はない。また、葉の根元のプールでは水が強酸性に傾き、特に小さな幼生には有害となるが、炭酸カルシウムの豊富なカタツムリの殻を入れることで中和し、環境を整えている。

©Rudolf Diesel&神戸市立須磨海浜水族園



3.授賞式および記念講演会
 開催日時:平成28年522日(日曜)1330分から16時(13時開場)
 開催場所:ホテルオークラ神戸 1階 松風の間
 後援: 神戸新聞社
 講演題目: 「娘とともに子育てをするブロメリアガニの驚きの生態と進化の道筋」
 定員: 150名(先着順)
 入場料: 無料  
 申し込み方法:申し込み用紙に参加者氏名、住所、TELFAX、メールアドレス、参加人数を記入の上、FAXまたはemailでお申込み下さい。  *定員に達した段階で募集を締め切らせていただきます。締め切り以降に申し込まれた方にのみ、その旨、ご連絡差し上げます。
 *講演会終了後、ディーゼル博士を囲んで懇親会(17時~19時、会費5000円)を開催します。参加希望者の方は申込書に懇親会参加と記載してください。59日(月曜)までに懇親会お申込みの方(要参加費事前振込)には当園入園券を進呈します。


4.サイエンスカフェ
 開催日時:平成28年520日(金曜)18時から20時(1730分受付開始)
 開催場所:神戸市立須磨海浜水族園 エントランスホール
 講演題目:「様々なカニの多様なくらし」
 定員: 50名(先着順)
 参加費:中学生以上1,000円、4歳~小学生500円、3歳以下無料
 申し込み方法:申し込み用紙に参加者氏名、住所、TELFAX、メールアドレス、参加人数を記入の上、FAXまたはemailでお申込み下さい。
 *定員に達した段階で募集を締め切らせていただきます。締め切り以降に申し込まれた方にのみ、その旨、ご連絡差し上げます。


5.授賞記念講演会・サイエンスカフェの申込み・問い合わせ先
 神戸市立須磨海浜水族園 mail: info(あっと)sumasui.jp  FAX: 078-733-6333


6.神戸賞選考委員
委員長:亀崎直樹氏(岡山理科大学地球生物学部教授/神戸市立須磨海浜水族園学術研究統括)
委員:  朝倉 彰氏(京都大学瀬戸臨海実験所教授 所長/京都大学白浜水族館館長)
   幸島司郎氏(京都大学野生動物研究センター教授)
   幸田正典氏(大阪市立大学大学院理学研究科教授)
   佐藤克文氏(東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター教授)


7.特別展「カニ研究クラブ」
 第6回神戸賞関連企画として、多様なカニの世界をテーマに春期特別展を開催いたします。受賞研究となったブロメリアガニの生態についても詳しく解説します。記念講演会とあわせて特別展もぜひご覧ください。
 開催期間:平成28319日(土曜)から529日(日曜)
 開催場所:須磨海浜水族園 和楽園特別展示室
 観覧料: 無料(別途入園料要)


合同ゼミが行われました

合同ゼミが行われました!

2016223
場所:フィールド科学教育研究センター 舞鶴水産実験所

With
   福井県立大学 海洋生物資源学部
京都大学 農学研究科 海洋生物増殖学分野
京都大学 農学研究科 海洋生物環境学分野
京都大学 フィールド科学教育研究センター 舞鶴水産実験所


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京大増殖:松田直往       「コルチゾルおよび黒色素胞刺激ホルモンの投与がヒラメ着色型黒化に及ぼす影響」
京大増殖:大戸夢木       「舞鶴市伊佐津川のハゼ科魚類における生息場所利用とこれに関わる環境要因」
京大増殖:山田雄志       「東北地方太平洋沖地震により新規形成された塩性湿地の仔稚魚相」
福県大 :相田 城之介「北潟湖の塩分上昇がブルーギルLepomis macrochirusの個体数動態へ及ぼす影響」
福県大 :中尾智行       「耳石微量元素を用いた九頭竜川産サクラマスの回遊履歴調査」
京大環境:安江功明       「十和田湖におけるヒメマスの鉛直移動の日周・季節変動解析」
京大環境:鈴木勇人       「産卵北限域におけるスズキ仔稚魚の初期減耗要因に関する研究」
福県大 :水嶋亨        「ウツセミカジカの耳石観察法と着底輪の検討」
京大環境:生田健吾       「山形県鳥海山沿岸における海底湧水の定量化と低次生産への影響評価」
福県大 :理塀 隆人      「夏季の大分県国東半島における河川水中の窒素・リンの動態  ~森と里の影響に着目して~」
福県大 :山崎 大輔      「小浜湾東部海域における底層水ラドン濃度の空間分布調査」
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今回は瀬戸臨海勢は遠隔講義システムによる参加。舞鶴水産実験所と繋ぐ初のこころみです。




Apr 2, 2016

祝! 原村 隆司さん、論文出版!

posted by AA

瀬戸臨海実験所特定助教の原村隆司先生(白眉プロジェクト)が論文を出版されました。一部、瀬戸臨海実験所研究員の竹内寛彦さんと共著です。 おめでとうございます!


Hatching plasticity in response to salinity levels in arhacophorid frog inhabiting a coastal area.   T. Haramura.  Journal of Zoology, 2016.
  http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)1469-7998/earlyview
海岸にすむカエルの、塩分濃度に対応した孵化行動の可塑性に関する内容です。動物行動学、行動生態学の視点から書いています


リュウキュウカジカガエル(photo: 原村隆司©)


竹内寛彦・原村隆司(2015)ヤエヤマヒバァによるオオハナサキガエルの捕食例. Akamata, 25: 15-16.
 石垣島でのヘビの捕食例に関する初報告です。

アカマタ(photo: 竹内寛彦©)



原村隆司・江頭幸士郎・澤田紘太(2015)水田に生息するカエルを利用した生物多様性、 進化のしくみに関する教材化の検討. くろしお、34:24-34.
 身近なカエルが、中高校の生物の教材化に使えないかを検討したものです。




Koshiro Eto, Masafumi Matsui, Kanto Nishikawa, and Takashi Haramura.  (2016)   Development and evaluation of loop-mediated isothermal amplification (lamp) assay for quick identification of three Japanese toads.  Current Herpetology 35(1): 1–5.
ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの変態個体(いずれも小さくて見た目では種同定できない)の、LAMP法を用いた同定方法についてです。