瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

May 23, 2014

祝! 岡西政典さん、新ホームページ立ち上げ + 「うみさわ会」 in 白浜:第1~9章!

posted by AA

瀬戸臨海実験所教育拠点研究員の岡西政典さんが,ご自身のホームページにブログ要素を追加し,リニューアルしました!

ここのブログには,実験所で行われている臨海実習など日々の研究,教育活動のようすが載っています.面白い! 

 
下記ロゴをクリックして中に入り、ご覧あれ!


http://www.tezuru-mozuru.com/


それから,先日KMさんによって紹介された「うみさわ会」のレポートが詳細に9回にわたって連載されています.こちらも以下のリンクにまとめられいます.

↓以下をクリックして,ご覧ください!
http://www.tezuru-mozuru.com/?p=1374

うみさわ会の面々.上記ホームページから引用.

May 17, 2014

「うみさわ会」 in 白浜(序章)

posted by KM

5月7日から10日にかけ、「うみさわ会」が瀬戸臨海実験所を舞台に開かれました。

(1)「うみさわ会」とは?
若手の海洋生物研究者がある場所に集い、そこで採集をしながら、研究手法に関するディスカッションなどをざっくばらんに行う集まりです(だそうです)。有志によって立ち上がってまだ間もない会で、今年1月に沖縄の大浦湾で開かれた第1回に続き、今回が第2回となります。
ひらがな表記が正式名称ですが、漢字にしてふさわしいのはという話になり、「海騒会」?「海触会」?「海茶話会」?といった意見が出ました。立ち上げメンバーの一人は「海爽会」でしょうと言っていましたが、顔ぶれを見ると若干「爽」やかさに欠けるような…?

(2)今回の概要
今回は実験所の「ヤンチナ」を使ったドレッジ採集を7日,8日の二日間で行いました。田辺湾内で2地点、湾外の紀伊水道外域で3地点曳き、一番深いところは富田海底谷の縁にあたる水深約300 mでした。ドレッジから戻ったら、採取した底質をそれぞれの目的に応じた方法で処理し、夕食まではひたすらソーティングします。
夕食後、作業が一段落したら、宿泊棟にて各人の研究紹介です。ちなみに今回の参加者は下記の通り。所属やカッコ内の主な研究対象群を見てわかるように、多様性は非常に高いです。

広瀬雅人 東京大学大気海洋研究所 特任助教(コケムシ類)
田中隼人 広島大学生物圏科学研究科 学振PD(貝形虫類)
太田悠造 滋賀県立琵琶湖博物館 特別研究員(ウミクワガタ類)
角井敬知 北海道大学理学研究院 研究員(タナイス類)
山崎博史 琉球大学理学部 ポスドク研究員(トゲカワムシ類)
吉田隆太 琉球大学理工学研究科 博士研究員(フクロムシ類)
藤本心太 京都大学理学研究科 D2(クマムシ類・コウラムシ類)
安岡法子 奈良女子大学人間文化研究科 M2(カキ類・カクレガニ類)
泉貴人 東京大学理学系研究科 M1(イソギンチャク類)
杉本雄祐 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
竹本亨世 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
久一沙彩 大阪市立大学理学部 B4(サンゴ類)
千徳明日香 瀬戸臨海実験所 学振PD(サンゴ類)
岡西政典 瀬戸臨海実験所研究員(テヅルモヅル類)
中山凌 瀬戸臨海実験所 M2(カサガイ類)
中町健 瀬戸臨海実験所 M1(コツブムシ類) 
+受け入れ教員を中野先生(カサガイ類)と私(ウミグモ類)が担当。

それでは次からは、今回の詳細を何人かで紹介していきます。(のはずです)


 採取した底質を処理しています。基本全て篩にかけるのですが、対象生物や底質の種類によって、篩の目の大きさや前処理・後処理の方法が異なります。
 今回私は船に同乗できなかったので、船上作業の様子については、このあと誰かが紹介してくれるでしょう。
 夜の部=研究紹介の一場面。お酒も入り和気藹々とした雰囲気ですが、時たま鋭い質問(ツッコミ?)が入ります。
 皆さん様々な写真や動画や原図をさりげなくスライドに入れて紹介していますが、その一枚を撮ったり描いたりするまでの苦労は並大抵ではありません。皆さん若手だけに、それが生々しく伝わってきます。


May 4, 2014

義勇軍来たる: 大垣さんと畠島調査

posted by AA

 瀬戸臨海実験所の卒業生で長年にわたり瀬戸臨海実験所周辺のべントスの調査を続けられてきた大垣俊一さんがお亡くなりになって、5月8日で2年(三回忌)となる。命日を迎えるにあたり、法要の意をこめ故人を偲んで一筆書きたい。

 大垣さんと言えば畠島の調査を忘れることはできない。田辺湾にある無人島である畠島は1968年に国による買取りがなされました。それ以来、瀬戸臨海実験所が管理する国有地として、海岸生物の研究・教育に活用されてきている。1968年より始められた畠島の「海岸生物群集一世紀間調査」は、所員および他教育機関の調査員によって、現在も継続されている。5年ごとの春季に行われる全島調査では、畠島の43区域において、指定された大型底生動物86種の分布密度を記録し、動物相の時間的な変化を観察している。近年4回の調査記録は、大垣俊一さんによってまとめられて、その様子は関西海洋生物談話会連絡誌 “Argonauta” より閲覧できる
 また瀬戸臨海実験所のホームページに、一世紀間調査の概要が出ている。
http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/setubi/hatakejima.html

 大垣さんが亡くなられたあと、そのご意志を瀬戸臨海実験所が継ぐ形で昨年、その5年調査が4月26-28日に行われた。その様子は下記に見ることができる。

http://setoblo.blogspot.jp/2013_04_01_archive.html


昨年の畠島調査より(上記せとブロのページより引用)

 この調査には瀬戸臨海実験所のメンバーに加え、京都、大阪、奈良、高知など様々なところから、人々が集まってくださった。これらの方々は、それぞれ大垣さんと何らかの形で関係をしていたこともあるし、面識は無かったがその調査の意義を感じて駆けつけてくれた方々もおられる。
 いわばボランティアとして、これだけ多くの方々が遠路はるばる集まってくださったわけで、何と有難いことであろうか。昔の言葉でいえば、これらの方々は「義勇軍」である。改めて厚く御礼を申し上げたい。そしてまた大垣さんが驚くべき強靭な意志のもと、潮間帯生物の長期調査を続けてこられたことの影響の大きさに、感嘆するばかりである。

 この義勇軍の方々の心意気に、わが瀬戸臨海実験所が応えるべきは、何と言ってもこの畠島の自然を未来永劫守り、そして調査を続けていくことであろう。

 大垣さんや私の世代が、研究者を目指して研究をスタートしてから、早30年以上が経過してしまった。その間には言葉に尽くせぬさまざまなことがあったが、大垣さんはひたすら原点回帰的にこの一連の調査を続けてこられた。これは大変なことである。今、墓の中から大垣さんは何を思うのであろうか?