瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Jun 29, 2013

ヤンチナドレッジ調査 [サンゴ編]

学振PDの千徳明日香です!
専門は刺胞動物門イシサンゴ目です

瀬戸メンバーに引き続き,ドレッジの成果
『サンゴ編』をご紹介いたします

カニがいたー!どれどれ((φ(・Д´・ *)ホォホォ

巻貝もいたー!!((φ(-ω- )フムフム

などと各研究者が戦場船上で生体をピックアップして盛り上がっていました

しかし,千徳のお目当てのサンプルはコンテナの中に残された
残渣(どろ)の中から得られ,
実験室で地味に拾い上げたものでした・・・

より分けられたサンプルたち
これは全部サンゴなんですよ!

皆さんのよくご存知のサンゴは,サンゴ礁をつくる
南国の海に居る群体の大きなものだと思います.

しかし,サンゴもいろいろ居まして
今回採集されたサンゴは
光のいらない深海に暮らすものです

スケールに注目!
とても小さいのです
大体2ミリくらいでしょうか・・・
鼻息でも飛んで行ってしまいます・・・w
こんなサンプルが200個体くらいあり,

目が・・・
肩が・・・

息もあんまりしないで・・・

とまぁ,修行のようでした(笑


がしかし,得られたサンプルの美しいこと!
繊細な骨格に息をのみます!


↑3枚の写真は Deltocyathoides   orientalis かな 塩見饅頭っぽい

 

 
↑3枚の写真は Peponocyathus folliculus でしょう.これも砂糖菓子みたいです

 

↑3枚の写真はとりあえず バター飴 と呼んでいます(笑)

このバター飴っぽいサンプルは・・・
たっーぷりッあるので
しっかり研究(同定)を進めていきます゚.+:。(・ω・)b゚.+:。

隊長!新たな目標発見です!
今回は骨格サンプルがほとんどだったので,
今度はこのサンゴたちの生体がほしいです!
生け捕りにして飼育・観察したいです!
新たな目標が出来てますます頑張れる千徳でした(*´ェ`*)

海で働く人たちのかっこいい写真↓

どなたもスペシャリストばかりで絵になります!

今回のドレッジでは,
船長さんや技官さんの技術,
協力してくださった皆様によって
貴重なサンプルが数多く手に入りました!
心よりお礼申し上げます.

posted by ASU



Jun 27, 2013

ヤンチナドレッジ調査 [甲殻類編]

普段は水深30mより浅い海がフィールドなので
これまで縁のなかった深海ドレッジ調査でしたが
今回ついて行かせて頂いて、たくさんのエビ、カニ、ヤドカリが採れました。

海の中では深くなるにつれ赤色は見えづらくなるので、カモフラージュなどのため赤色をした甲殻類が多いですが、こうして陸に上げられてしまえば泥や小石などの間で、よく目立って集めるのは簡単でした。
コシオリエビの仲間 この種がたくさん採れました

しかし...ほとんどが自分では初めて見るものばかり... でもどのカニもめっちゃカッコイイィ!!!!
上左:ジュウイチトゲコブシガニ
上右:カラッパの仲間
中左:サナダミズヒキガニ
中右:アワツブアケウスか?
下左:わかりません コブシガニの仲間??
下右:フタホシイシガニ
と、意気込んで撮影したものの、あまり同定できていなくてすみません。これから調べます。アドバイス大歓迎です。
カニ類はこの他にも2種類採れ、全部で7種類採集できました。

ヤドカリ類もカラフルなものが数種採れました。

こんな素敵な貝殻を宿にしているヤドカリもいたり。


しかしここだけの話、個人的にこの日一番感動したのは、河村研究員がドレッジの待ち時間を使って「水面」で採集した美しいアオミノウミウシでした。
水面が鏡のように穏やかでしたので流れ藻に捕まって移動中のカニやトビウオの子ども?も漂っていくのがよく見えたので、飛び込みたい欲求を抑えるのが大変でした。次こそは何かすくう道具を用意して観察したいです。
posted by Yuna

Jun 26, 2013

ヤンチナドレッジ調査[小さい動物編]

どうもご無沙汰しております京都在住・藤本です。

最近参加させていただいたMokanishiさんプロデュースのドレッジの、私の分担する小さい動物に関する成果を紹介させていただきたいと思います。

といっても小さいんで、まだ何が採れたのかよくわからないです。 とりあえず、さっと見た感じで見つけた生き物を2種紹介します。


そのいちッ!


緩歩動物門(クマムシ)
Tholoarctus sp. 背側が見えています。
体の一番外側の皮が膨らんでいて、ぶくぶくした見た目のクマムシです(この写真じゃわか らないかなぁ...)。自分の皮で着太りして何の役に立つのか?クマムシは謎だらけ。

ちなみに、深海性の属というわけではありません。


そのにッ!


■□動物門 

思いっきり写真ぼかしていますが、わかる人にはこの写真でもわかるはずです…よね? え?ぼかし過ぎ?あなたの心が私のように黒光りしていれば、欲望の力で見えてくるはずです。もっと修行しなさい!

実は昨年のドレッジでも採れていたのですが…あまりに重要なので、続きは論文でッ!

このような成果が得られたのは、私が船の上でボーッとしている間に、技官のYさんがドレッジに良さそうなところに船で連れて行ってくださり、技官のOさんが、ドレッジの操作をしてくださったからなのです。船上で私は採れた砂泥をみて、グヘヘヘヘッと喜んでいるだけでした。私が怠けている間に、海底のお宝を採ってくださる技官さんたちはなんて偉大なのでしょうッ!(もちろんドレッジに誘ってくださったMokanishiさんも)

まじリスペクトっす!

(Posted by 藤本)

ヤンチナドレッジ調査[棘皮動物編]

posted by Mokanishi

Invertebratize!! 

初夏の陽気が漂う中、皆様いかがお過ごしでしょうか?研究員のMokanishiです。 去る6/17日に、SMBLが誇る南紀屈指の調査船「ヤンチナ」によるドレッジ採集が行われました。シリーズ二回目です。一回目については藤本主席研究員の記事をご覧ください。

今回の目標は大きな生き物(カニ・ヒトデ・サンゴなど)です。戦力は、前回よりもグッと増えて技官さんお二人と河村研究員、千徳研究員、M1の(マキシマムザ)凌君、藤本主席研究員、私と勇者Z様(実験所最強戦力)です。風景写真は河村研究員と千徳研究員よりいただいております。

朝九時、調査船ヤンチナ(右の船)に乗り込むソルジャー達。天候晴れ。後は波さえなければドレッジが曳けるはず!








び~~~~ん(移動中)










超あっさりつきました!見よこの鏡のような水面。技官さんも驚くほどのドレッジ日和です。早速ドレッジ投入!!100 mの深海へいってこい!


技官Oさんの卓越したテクニックで、今回も順調にドレッジを深海に送り込みます。照り返しで計測機が見えない?いえ、壊れてるんですって…。

曳網中の隙を見てプランクトンネットをひく河村研究員。一時も無駄にしない姿勢に、プランクトンハンターとしての意地と誇りを垣間見ました。ちなみにいいプランクトンが採れたそうですよ!










しばし待つ





採れました!!石や泥に混じって、カニや貝などがちらほら。少ないと思うなかれ、ドレッジは大型生物の採集に特化した作りになっているので、これでも十分!


ということで調子に乗って二回目。今度は200 m辺りを狙います!











待つこと40分…







さあて深海からドレッジが帰ってきました。今回も入ってるかな…むむ?

めっちゃいっぱい採れました!一回目の量で十分と言いましたが、撤回します!ドレッジの実力を見くびってました。
サンプルに群がる研究者たち。生物研究者冥利に尽きる瞬間です。




さて、ということで今回のドレッジは大成功でした。せっかくなので、採集された生物をシリーズで紹介していきたいと思います。まずは棘皮動物から!

クモヒトデ綱

トゲクモヒトデ科の一種。深海の代表格ともいえるクモヒトデのグループです。 

クシノハクモヒトデの仲間。こいつは深海底を埋め尽くすほどの集団を形成します。紀伊沖にもそのような場所があるのでしょうか。

まだ調べてないのでよくわかりません。実にカラフル。なんかオーラを感じるクモヒトデです。

これはちょっと珍しい。キヌハダクモヒトデ科の一種です。体がぶよぶよの皮で覆われてます。弱りやすいので、このように完品で採れるのは珍しいです。

スナクモヒトデ科の一種。浅いところにもいるやつだと思います。とても小さいので赤ちゃんかもしれません。

ヒトデ綱
モミジガイの仲間?腕が一本再生中ですね。

これはトゲヒトデの仲間でしょうか?腕の先からやけに長い管足を伸ばしています。

ウニ綱
これはベンテンウニの仲間…ではないらしい?針が細長くてとてもキレイですねえ。

ナマコ綱
やけにかわいいのが採れました。触手を出していなくて何のグループかよくわかりません。

他にも珍しい生き物がたくさん採れていますよ~。詳しくは各参加者の報告をチェケラしてみてください!今回の調査でヤンチナを出していただいた技官のOさんとYさん、ありがとうございました!

Jun 25, 2013

祝! 座安佑奈さん 論文出版!

サンゴの表面の穴にすむ変わったカニである、サンゴヤドリガニの新種を座安佑奈さんが発見され、このたびその記載論文が出版されました。おめでとうございます!

A new species of Fizesereneia Takeda & Tamura, 1980 (Crustacea: Decapoda:
Brachyura: Cryptochiridae) from Japan
YUNA ZAYASU, KEIICHI NOMURA, KOUTARO SENO & AKIRA ASAKURA
Zootaxa 3681 (3): 257–269
http://www.mapress.com/zootaxa/2013/f/z03681p269f.pdf

この変わったカニについては、座安さんは引き続き研究を続行中で、今後の展開が楽しみです!
posted by AA

この論文ではFizesereneia daidai 和名ダイダイクボミサンゴヤドリガニを新種として記載しました。同属のサンゴヤドリガニ科クボミサンゴヤドリガニ属に属するカニたちはどれも甲の模様が美しいのですが、この新種もメスの甲の前方にある迷路のような模様と、後ろ半分のダイダイ色が鮮やかなカニです。



写真左がサンゴ表面の穴とメス、写真右がオス

本種のタイプ産地は瀬戸臨海実験所の目の前の海、観光スポットとして有名なこの円月島の裏あたりです。タイプ産地とはこの種の基準となる模式標本を採集した地点で、分類学的にとても重要です。こんな観光スポットでも新種がまだいたのですね。

写真はちょうど円月島の穴に夕陽が入った所ですが、もし観光でこの美しい光景を見に来られる機会がありましたら、この周辺の海で、これまで色んな生物が記載されてきたことにも思いを馳せてみて下さい。 これからもこの海が美しく豊かでありますように☆



posted by Yuna

Jun 24, 2013

京都大学志賀高原ヒュッテ

週末を利用して長野県にある京都大学の宿泊施設「志賀高原ヒュッテ」を利用してのトレッキングをしてきました。

ここは2001年建て替えの新しい施設で、木材が多く使われている落ち着きのあるデザインと沢山ある大きな窓から見える周りの森の風景が素晴らしかったです。

志賀高原ヒュッテ
志賀高原ヒュッテ食堂
ここを拠点に志賀山の周りを巡る通称「池めぐりコース」とよばれるルートを歩いてきました。稼働していないスキー場のリフト横から登り始め、雪の残る山道を歩きます。

前山スキー場のリフト

山道の残雪
途中に多くの小池からなる四十八池というポイントがあり、クロサンショウウオとその卵を見ることができました。

四十八池
クロサンショウウオの卵
この辺りは足元に美しい湿性植物が多く見られるのですが、遠景もまた素晴らしかったです。
ミズバショウ

山道からの風景
最終目的地はエメラルドグリーンに輝く大沼池(標高1,694m)です。この美しい青は火山性の硫酸銅が山から流れ出るためとのこと。水質は強酸性のpH4.4、魚は生息しません。

大沼池

近くから見た大沼池
初夏の過ごしやすい気候で人も少なく、風音や鳥の鳴き声に包まれた気持ちの良い昼寝ができました。歩いている時間は4時間程度でしたが、亜寒帯湿潤気候の美しさを十分に堪能できました。

志賀高原ヒュッテを管理されているご夫婦は大変親切な方々でした。また、噂には聞いていましたが食事がとても美味しかったです。

蕎麦と山菜の天ぷら、イワナの塩焼き、野沢菜など

カツオの刺身ジュレのせ、ビーフシチュー、お手製アップルパイなど
静かな森の中に建ち、夏はトレッキング、冬はスキーと休暇に大変適した施設だと思います。一般の方でも宿泊できるそうです。

posted by 諏訪