瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Feb 27, 2013

海洋酸性化勉強会白浜

海洋酸性化関連の研究者達による勉強会が瀬戸臨海実験所にて開催されました。 


本会は未だ論文化されていない内容やアイディアも非公開厳守にてざっくばらんに発表・議論することや、 日本国内での海洋酸性化をキーワードとする研究者間の交流を深めることを目的として定期的に開催されています。


遠方にもかかわらず多くの方が参加して下さり、モデリングから生態学、生理学、水産学まで幅広い分野からの発表と議論が行われました。


瀬戸臨海実験所には水族館が併設されているので、実験施設と
共に見学して貰い、第1水槽では技術職員の原田君から餌やり体験をさせて貰えました。


懇親会と、自らを試料とした温泉による酸性化実験も行いました。
内容は非公開なので出せませんが、大変充実した時間を過ごすことが出来ました。


参加者の皆様、真に有り難うございました。




(posted by 諏訪僚太)

Feb 25, 2013

初めての磯釣りー中編ー

その声は船から発せられたのです。

「お弁当お持ちしました。釣果どうですか?駄目ですか。風の影になるところがありますから、そこの磯も空いてますよ?移動しますか?」

よかった.........まだ終わっていなかった。心からそう思いました。我に返り、腕時計に目をやると、まだ午前10時を少しまわった頃。私の中で消えかけていた、夢とか希望とかそんなものが、再び燃え上がりました。初めから夢を見なければ............希望など抱かなければ、絶望することもないのに。こんな思いをするくらいなら、私は二度と、期待などしない..........そう誓ったはずなのに。
せっかく与えられた蜘蛛の糸。掴まずにはいられません。しかし、人というものはいざ選択肢を与えられると躊躇するもの。人は「変化」を恐れるものですから。様々な考えが頭をよぎりました。


ここまで粘ったのにリセットするの?撒き餌をこんなに撒いたのに。やっと魚が集まってくるころじゃないの?でもウキは沈まない。ここでは釣れないのかも。せっかくいろいろセッティングしたのに。奇跡とか魔法があれば。今まで消費してきた撒き餌は?無駄になったの?いつまでも釣れないから多めに撒いたのに。きっと集まっている。もうすぐ釣れるはず。ホントに?でも。でも。でも。でも。


海は広大です。こんな海にしてみたら私の存在はとても小さいですね。こんな小さな私でも、選択肢一つで、大きな幸せを得ることができるかもしれません。パスカルの≪人は考える葦である≫。私は考えて、掴みましょう。無限の可能性を。

「あの、移動、お願いします。」



到着した磯は、確かに風の影になっており、波も高くありません。
私にとってここは最後に残った磯(みちしるべ)なのです。
嬉しいことに、頻繁にアタリがありました。そうです。それでいいのです。聖人の心のようなウキなど全く面白くありません。私は、俗物の精神のごとく、いろんなものにたなびく、そんなウキが大好きですよ。

そして..........................。

ウキが沈みました。深く、深く、沈んで行きました。

私が合わせると。

来ました。この根がかりを思わせる重み、そして走る糸、異常なくらいに曲がる竿先。真っ白になる頭の中とは裏腹に研ぎ澄まされていく全身の感覚。そう、この「狩る」という行為が一番私らしくいれる時間。手と足は震えているのに、心臓はこんなにも暴れているのに、体が軽く、あぁ。。。
 
思わず呟いた言葉は。  「奇跡も魔法もあるんだよ」 

本命の登場です。



 ≪次回 最終話 それはとっても嬉しいなって≫

                                      posted by 望月

Feb 15, 2013

初めての磯釣りー前篇ー

その日私は夜遅くまで分子実験をしていました。集中するあまり、終わったころに時計を見ると、午前2時をまわっていました。早く寝なければ…、 そう思いました。あまり夜更かしして明日に響いてはいけない。私は足早に家に帰り、床に就きました。異変を覚えたのはそれから30分ほど経ってからでしょうか?夜の闇に自分の意識が溶けていく感覚がこの日は来なかったのです。まどろむことさえできずに、時計が秒針を刻む音と、冷蔵庫が時折立てる唸るような声の中、寝返りをうって時が経つのをただただ待っていました。なぜ、その夜は眠れなかったのでしょうか?答えは解りきっています。
明日は.........明日は...............初めての磯釣りなのです。
この胸の高鳴り。眠ることなんてできましょうか?

明日、私と共にに戦ってくれるのは、このSHIMANOのガンバロッドです。
 明日のメンバーですが、私と、技術職員の方2名、計3名で磯に赴きます。

結局、私はほとんど眠ることができないまま、
朝を迎えました。時刻は午前4:30。
曇天の空から冷たい雨がパラパラと降っています。しかし、私のモチベーションはそんなことでは下がりません。車で港に向かい渡船に乗り込みました。

少し高い波に船が揺れ、まるで船が踊っているよう。
普段は酔い潰れる私ですが、この日の私の心は、船と共に踊っていました。

私は磯に立ちました。今までは画面の向こうでした見たことのなかった聖域が、現実の感触と匂いと圧力を伴って私の前に降りてきました。私は聖剣(ガンバロッド)を鞘から抜き、獲物が掛かるのを今か今かと待っていました。
ここは磯なのです。きっと気持のよいくらいに........そう、あのBのウキが、まるで海底に向かって放たれた銃弾のように沈んでいくに違いありません。きっと、すぐに。

.......................................

いえ、まだ3時間も経っていません。焦る必要はないのです。ここは磯なのですから。

...................................

いえ、まだそんなに経っていないはずです。焦る必要はないのです。ここはそう。
磯なのですから。

...................................

焦燥という言葉はこういう時に使うのでしょうか。波はますます荒れ始め、風は止むことを知りません。朝はまだ穏やかだった雨も、今は容赦なく私の体を貫きます。次第に荒れてくる天候とは裏腹に、私のウキはまるで聖人の心のように、波紋一つたてず海面を漂います。季節が移れば、雪は溶け、花は散ります。かつてあれほどにまで咲き誇っていた春先の満開の桜も、家屋より高く降り積もった雪も、私の踊っていた心も。
ふと沖に目をやると、何やら波に揺られて接近するものがあります。あれは何でしょうか?いや、逃げてはいけません。あれは船です。もうそんなに時間が経っていたのですね。目の前が真っ暗になりました。ここは磯なのです。せっかく磯に来たのです。
天を仰ぎました。降り注ぐ雨に、私の涙を、弱い心を流してもらおうと。

その時、唐突に私の脳内に声が聞こえました。

その声は

嵐の夜の灯台から放たれる、光でした。
箱の中に最後に残った、希望でした。
私のスケジュール帳の、いりあちゃんのサインでした。

その声は、船から発せられたのです。

≪次回  最後に残った磯(みちしるべ)≫

                                     posted by 望月



Feb 11, 2013

梅のお花見


せっかく「日本一の梅の里」の近所に住んでいるので、南部梅林に梅の花を見に行ってきましたよ。

梅林入り口までは商店が軒を連ね、ものすごい行列ができている「いももち」のお店もありました。 おいしいのかな?と思ったけど行列や人混みはスルー。またの機会に。
さっそく景色の良い広場があって、のんびりしたい気もしましたが
「走れ走れ。二時半から餅投げ!(が始まるから)。」
「上で梅酒飲み放題やってるよ。」

 と、親切なおじさま、おばさまに急き立てられ、とりあえずここもスルー。
餅投げに間に合いました。

餅投げは初めてだという藤本くんは高い所から見物。

人混みにも負けず参戦したMokanishiさんと、隣にいた方からお餅を分けてもらい美味しく頂きました。  
そして肝心の梅の花は、ちょうど満開でした。 

とっても見頃♪




 さらに山の上へ登って行くと、想像していたよりすごく広くて驚きました。
ひと山...

いや、さん山くらい全部 梅の木でした。















果実用のレールが急な斜面の下の方まで伸ばされていて、作業がすごく大変そう。


梅の花のあま~い香りに包まれて最高でした。





そして何より
山の尾根が道になっているので

この開放感!

伝わりますか? 












てくてくてく...








 2人の背中が小さい!
 梅と海とみなべの街。見晴らし最高。


リフレッシュできました。

さて、明日からまた頑張ります。

 Posted by Yuna

Feb 6, 2013

クマムシさん、白浜に現る


どうも、自分が脱皮動物でないことに腹を立ててる学生の藤本です。
















プロのクマムシ研究者によってデザインされたクマムシのぬいぐるみが発売されましたので告知です。


「クマムシさんぬいぐるみ」



モデルはヨコヅナクマムシという陸のクマムシッ!

体長約14 cmと本物のクマムシより可愛がりやすいサイズ。(他にも小さいのと、すんごく大きいのがあります。)

皆さんもクマムシさんを愛でてはいかがでしょうか?

欲しくなってしまったらネットショップへ!→http://kumamushisan.shop-pro.jp/






余談ですが、外国の研究者さんたちは、このようにデフォルメされたものよりも、リアルさを追求したものを好む方が多いようです。これが文化の違い?!

<Posted by 脱皮したい藤本>

Feb 1, 2013

タイへ行ってきました(後篇)

~あらすじ~

もかにし は タイ に くもひとで を とりに きています
はたして ちょうさ は うまく いくので しょうか?


決戦当日。七時に朝食。三十分後に近くの島へ出発です。

時間は前後しますが、これは帰港の様子。堤防沿いに家がずらりとならんでおり、船着き場が形成されているのです。

いざ出発!軽快にボートが進みます!やや波が高く酔いかけましたがいい天気です!
ボートを操る漁師のお兄さん(イケメンでした)。
現場に到着!船から直接水中にエントリー。先発隊のApple先生(右端)と器材を構え水面を見据えるSeさん。
ドボーン!!

全員水面にエントリーしました。いざ潜水開始!!

(写真撮影:Apple先生)



























調査中…



















…実は水中カメラを持って行っていなかったので、調査中の写真はありません。

代わりに、激戦を終えた後のSeさんの漢らしい背中をどうぞ。
昼前には宿に帰りました。このようなポリ瓶やビニールバッグを水中に携行し、採集したクモヒトデを地上に生きたまま持ち帰り、標本にするのです。
ダイビング器材は外に出しておけばすぐに乾燥します。何せ気温は35℃。
(※乾季ならではかもしれません)
ダイビングの後は昼食。

この一杯のビールために生きていると思えるほどさ♪

(※ドライバーは飲んじゃだめ!)








そして夕食まで標本処理、という調査を二日繰り返しました。

果たして成果は!?











………












おお、採れました採れました!黄色いポリプをにょきにょき出したソフトコーラルに、赤色やオレンジ、縞々模様のクモヒトデがわんさかついています。今回はこれを採りに…ん?





























おやおや?





















(つд⊂)ゴシゴシ 













(;゚д゚) ・・・ 











(つд⊂)ゴシゴシゴシ










(;゚Д゚) …!? 













こ、これは!!!!!!!









※無断転載禁止

テヅルモヅルが採れました!!


赤いソフトコーラルの真ん中ほどに絡む白っぽい個体が確認できるでしょうか?これはテヅルモヅルといって私が研究対象にしているクモヒトデの一種です。多くは深海に生息しているのでなかなか見られません。こんな水深でみられるとは!!


無断転載禁止
ヤギから丁寧に取り外した画像がこちら。テヅルモヅルは腕が分岐するのですが、これは小型の個体でそれが確認しにくいですね。ホントは大型の個体も採れたのですが、研究の都合上そちらはお見せできません。かなり珍しい種だと思われますので、今後慎重に研究を進めていく所存です。







そんなこんなで調査は大満足!

バンコクに帰る前の最後の晩餐。

今回はお腹を下すこともなく、いずれもおいしく頂きました。
そしてバンコク着。さらっと書いていますが、帰りも九時間ほどかかっています。















こうして無事調査を終えました。今回の調査では文科省の「東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワーク構築」プログラムの助成を受けました。この場を借りてお礼申し上げます。

おそらくまたアジア諸国でのフィールド調査の機会がありそうですので、積極的に関わっていければと思います。








おまけその①

調査メンバーの集合写真
(写真撮影: Apple先生)

おまけその②

バンコクの公園で見たミズオオトカゲ













(posted by Mokanishi)