瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Dec 29, 2012

筑波大学の中野さんが来所されました


研究員のMokanishiです。

12月17-21日に、筑波大学で助教をされている中野裕昭さんが来所されました。

中野さんは平板動物という珍しい動物を研究されており、

今回はその採集目的で来所されました。


到着された17日に、ウェルカムパーティをひらきました。

なんとチーズフォンデュです。

このような小さめな鍋の底にニンニクをすりつけ、ゆっくりとチーズを溶かしていきます。


いい感じになりました!

この段階になってきたら、白ワインを加えます。














ワインに引火!?

炎に包まれるふじもん!

ふじもーーーーーーーーーん!!!!!!!







無事でした。
さて、いざフォンデュ!

パンをチーズに絡めます。
トロ~~~~り。

とても美味でした!


翌日からの採集に備えるべく、英気を養いました。

チーズやその他の具材を揃えてくださった河村さんに感謝です。









 
さて、二日目、いよいよ採集開始です。平板動物はあまりに小さくて薄いため、観察可能にするためにガラス板に付着させる必要があります。

こちらの装置には、10cm四方程度のガラス板が 十枚収まります。

これを、10月から二カ月海水にさらして付着するのを待ちました。




こちらはヤンチナの係留所の桟橋に吊るしていたもの。コケムシ、ホヤ、ゴカイの棲管など様々な生き物が付着していました。








こちらは、ガラス板観察用のコの字型の ガラス棒。

ガラス板は両面を観察するので、片面を観察しているときに反対側がつぶれないように板を浮かせるのです。
真剣に顕微鏡をのぞく中野さん

ミッキーも応援しています。


















ヤンチナ係留所のガラス板を観察中。

この生物ジャングル状態の中から平板動物を見つけ出します。

果たして平板動物は見つかるのか!?
















………









…………


























みつかりました!

Trichoplax adhaerens
(センモウヒラムシ)です!

今のところ、世界でこの一種しか知られていません。

初見の印象は薄い細胞の塊です。

大きなもので直径2mm位の非常に小さな動物です。

科学的な特徴を挙げると、

・体の厚さは細胞三層分しかない
・背腹の区別はあるが、前後左右の区別はない
・細胞は五種類しかない
・神経がない
・筋肉がない

などなど、ないないづくしの分類学者泣かせの動物です。一言でいえば、ぺちゃんこになった風船のような生きものだそうです(中野さん談)。


来所されたついでに、セミナーを行ってもらいました。詳細はこちら

たっぷり30分、平板動物のお話を語っても多いました。
質疑応答中。

「動物の中での系統的な位置は?」

「下田で採れるものの遺伝的多様性は?」

「ひっくりかえったら起き上がれるの?」

などなど、議論も活発でした。


瀬戸でも採集の報告がある平板動物ですが、今回初めて実物を目にしてその薄さがよく観察できました。細胞三層分しかないというのも納得です。

またセミナーで最も印象に残ったのが、環境が悪くなると風船型に膨らんだプランクトン状態になるという話で、だとすると分散は?発生はどうなってるの?などなど、次々と疑問がわいてきました。

しかしながら、そういった生態・発生的な部分はほとんどがわかっていないそうです。今後の中野さんの研究の発展に期待です。

中野さんの研究室では平板動物をはじめ、珍渦虫などの動物群を研究対象として発生進化学的研究を進めています。

興味があるかたはこちらをご覧ください。学生も募集中だそうですよ!

(posted by Mokanishi)

Dec 27, 2012

汎用干潟決戦兵器ヤビーポンプ試験運用レポート

この度は、イギリスから輸入した汎用干潟決戦兵器ヤビーポンプの試験運用に関して、諏訪博士の貴重な証言を元に報告します。

    藤本
          「まず、汎用干潟決戦兵器ヤビーポンプ入手
            至った経緯を説明していただけませんか?」

    諏訪博士
          「この兵器の存在を知ったのは、高知県に送り
            込んだ我が実験所の諜報部員2名の報告を聞
            いた時です。彼らの報告によると、高知では
            干潟で穴の中に籠城している生き物を吸い出
            してしまう恐ろしい兵器が使用されていると
         のことでした。穴の主の効率的採集は、我々
         の長年の夢でした。当実験所はこの兵器入手に
         すぐに動きました。」

    藤本
               「そして今回の試験運用に至ったというわけで
         すか。穴を掘らず、生き物を吸い出せるなん
         て夢のような兵器ですね。ちなみにヤビーポ
         ンプではどのような生き物を穴の中から吸い
         出せるのですか。」

    諏訪博士
        「諜報部の報告によると、アナジャコ類、スナ
         モグリ類、カニ類、稀に魚類が採れるそうで
         す。」

    藤本
        「魚が干潟の穴の中にいるのですか!今回は採
         れたのですか?…すいません、先走ってしま
         いました。今回の試験運用はいつ行われたの
         ですか。」

    諏訪博士
        「結果はあとでお話しするので落ち着いてくだ
         さい。試験運用は12/25 21:30-23:00に近所の
         干潟で行いました。」


準備中の諏訪博士
    藤本
        「いくら干潮だからと言って、年末の夜なんて
         寒いのによく計画されましたね。」

    諏訪博士
        「熱い魂とPerfumeの音楽さえあれば、なんだ
         てできるのですよ。寒いからなんて言い訳し
         ていたら何もできやしません。」

    藤本
        「軟弱なことを言ってしまい申し訳ございませ
         ん。諏訪博士が寒さに狼狽えるなどあり得な
         いですよね。干潟といえば、足が抜けなくな
         って身動き取れなくなったりして泥まみれに
         なってしまうと思うのですが、実際現場では
         どうでしたか?」

    諏訪博士
        「我々のチームは慎重を期し、安全そうなとこ
         ろでヤビポンを使ってみました。」


汎用干潟決戦兵器ヤビーポンプ使用風景
(左:諏訪博士;右:岡西研究員)
    
    藤本
        「そして結果は?」


    諏訪博士
        「誰かがまずカニを採ったような記憶があるの
         ですが、よく覚えていません。そのあとに、
         岡西研究員がアナジャコの採集に成功しまし
         た。カニなら、種類さえ気にしなければどこ
         でも簡単に採れるので、印象に残らなかった
         のだと思うのですが、アナジャコを見たとき
         はうれしかったです。」


岡西研究員の採れたてアナジャコ類
    藤本
        「ヤビーポンプ試験運用は成功といってよいの
         でしょうか?」

    諏訪博士
        「はい、成功です。最初のアナジャコが見つか
         った後も、いろんな巣穴をヤビポンで吸った
         のですが、採れるのはカニばかり。アナジャ
         コは岡西研究員が追加で2個体採っただけで
         した。私もアナジャコ採りたかったです。ア
         ナジャコにはマゴコロガイという貝がくっつ
         いていることがあるので、それも採りたかっ
         たのですが今回はダメでした。」

    藤本
        「ヤビーポンプの今後の活躍は期待していいの
         でしょうか。」

    諏訪博士
        「多いに期待していいと思います。実習での干
         潟の生物採集では必須のものとなるでしょう。」

    藤本
        「今日はお忙しい中インタビューにお付き合い
         いただき、どうもありがとうございました。」

    諏訪博士
        「いえ、こちらこそありがとうございました。」


実験所に連れて帰ってきたアナジャコ類&カニ類

(Posted by 藤本)

Dec 13, 2012

ジャカルタへ行ってきました(後篇)

~あらすじ~

国際セミナーに参加するためジャカルタへ飛んだ研究員Mokanishi!一日目の発表を終え、東南アジアの魅惑の食べ物に翻弄されて満腹状態だが…?

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二日目の朝、快適なホテルの部屋での目覚めですが、なんだか腹に違和感を覚える…。

今思えばこの時点で…だったのですが、まあ大丈夫だろうと朝食を摂って学会場へ。

この日は前日の反省を踏まえて上着を持っていきました。

昼食もしっかりと食べ、いざ、午後の発表だが…。



















なんか腹痛ぇなあ…。

















これは…もしや…?この時点で流石にまずいのではと思ったのですが後の祭り。

しばらく発表を見ていたのですが腹の調子は悪くなるばかり。

挙句の果てには、寒気まで。

 結局 冷房がきいたセミナー室を出て、真夏の陽気の室外に出たのですが、
























寒気が止まりません
(※気温約30℃)





















ひたすら体を丸めて寒気に耐えるMokanishi。

これどう考えても異常だろ…こんな暑いのにガタガタ震えているわけです。

これはまずい。少なくとも夕食とか言ってる場合じゃない…。

と思っていたその時!























「大丈夫ですか?顔が蒼いですよ?」


























あ!あなたは質疑応答で仲良くなったマレーシアのSuponoさん!!

必死に自分の状況を説明したところ、

























「向こうのセミナー事務局に相談してみたら?」
































その手があったか!!!!!






























一目散にセミナー事務局に駆け込んだところ、すぐにLIPIのマイクロバスを手配してくれて、
一足先にホテルに送っていただけることになりました。ありがたや~。

善良そうな青年が、夕方の渋滞にも関わらず献身的なドライブでホテルまで送りとどけてくれました。

ちなみに、渋滞を避けるために、車内の金品を隠さないといけないようなダウンタウンを通ってくれたのですが、ちょっと怖かったですね。

普通の道に出た時に「助かった…。」って思っちゃいました。

何はともあれその日の夜にホテルに着いたのですが、そこからとにかく絶食してひたすら水を飲んでいました。

途中、日本からのセミナー参加者がポカリなどを差し入れてくれました。感謝。

結局、翌日はとてもセミナーに参加できる状態でなく、翌々日のチェックアウトまでずっとベッドで寝てました。

計算したところ、通算40時間はベッドの上でした。

俺は一体ジャカルタで何をしているんだ...。




最終日はホテルを昼前に出ましたが飛行機は夜中。

大分回復はしていたものの、観光する元気は出なかったので、

早めに空港に移動してずっと空港にいたのですが、それなりに楽しめました。

最後の旅の思い出をダイジェストでどうぞ!

突然空港の通路で始まる踊り。踊り子さんたちの衣装が実にエキゾチック。
つ、次はこの王が…!?
王の舞。その隣を歩くおじさん。
客観的事実を述べると、先ほどの女性の踊り子さんの時より人は少なめでした。
 最終的に坐する王。それを見守る観客。はたして彼のダンスが成功だったのかどうかは、彼自身にしかわからないだろう。
Luwak Coffee専門の喫茶店に入りました。
Luwak Coffeeは、ジャコウネコのウ〇コから取り出したコーヒー豆です。

汚いと思うなかれ、なんと高級コーヒーなのです。
Luwak Coffeeを頼んだ東大のI先生。私は香りだけで十分です…(体調的に)。



















なんだかんだで無事飛行機に乗り、韓国に到着。機内食は一切お断りしました。せっかくの飲み放題が…。

こちらの写真は仁川空港の水飲み場。弱った五臓六腑と心に沁みたぜ…。
そしてバスを乗り継いで関空から帰ってまいりました。

白浜の眩しい砂浜を思わずパシャリ。

「私は帰ってきたぞ!」

















というわけで、なかなか濃いジャカルタ旅行となりました。次は一月にタイにクモヒトデ調査に行く予定です。

次回は今回の教訓を生かして、バッチリ無傷で帰りたいと思います。


















今回の教訓: 「食べ過ぎと冷房には注意しましょう!」



このAsian Coreプログラムは2015年まで続くということで、今後もアジア諸国とかかわる機会が多くなりそうです。

今回のセミナー参加では「東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワーク構築」の助成を受けました。

この場を借りてお礼を申し上げます。



(posted by Mokanishi)

防災訓練を行いました!

12月11日、瀬戸臨海実験所では消防署立会いのもと、防災訓練が行われました。南海地震などの巨大地震が起きた際には、30m近い津波が実験所を襲う可能性があるそうです。 目標は揺れが収まってから5分以内に、実験所裏の番所山のてっぺんにある南方熊楠記念館に避難する事です。

当実験所では様々な場所に人が散らばっているのでスムーズな避難が必要です。例えば水族館には一般の観覧者が、実習シーズンには実習室、宿泊棟に実習生が大勢います。

今回は我々の避難もありますが、避難経路の確認と誘導の仕方の練習でもありました。

朝倉所長の采配により、各教員の担当や院生の役割も決まり当日を迎えました。

訓練開始は14:00ジャスト。時間前に消防車と救急車が集まってきました。
 院生のふじもんともっちぃは、一般の観覧者役として水族館に配置されています。
 14:00に大きな地震が起きたとして訓練開始です!大きな揺れでふじもんは転倒しました(←負傷者役)。
すぐに水族館スタッフがかけつけます。
自力で動けないという事で、担架が用意されます。
実験所内で軽くて乱暴に扱っても問題ない(?)ふじもんを負傷者役に選びましたが、結構大変そう。
 この急斜面を一気に駆け上がります。最後に取り残されているのは事務の福岡さんです。南方熊楠記念館の入り口で息が切れた模様。がんばれ!
担架に乗ったふじもんも到着。担架での移動は予想より大変で、4人がかりでの搬送となりました。
最後に消防署の方から総評を頂きました。「連絡・誘導・避難までとてもスムーズだった」と褒められました。 「地震が起きた際には、出口がゆがむ恐れがあるため、まずドアを開ける事を心に留めておくように」とコメントも頂きました。
訓練後、南方熊楠記念館の屋上に上り、実験所の全体像をみんなで再確認です。 屋上では何組かの再会イベントまでありました。あちこちで「お久しぶり!」、「あの人あった気がする」など、白浜ってせまいなと思いました。
屋上から見た景色はこんなにきれいです。
現在、実験所のいろいろな場所にこのようなバケツが置いてあります。災害時にはこれを持ち出すようにして下さい。








災害は忘れたころにやってくると言うので、定期的に防災訓練をして思い出しましょう!

posted by Tomo

ジャカルタへ行ってきました(前篇)

研究員のMokanishiです。

11/12-14にかけて、インドネシアの首都ジャカルタで、日本学術振興会(JSPS)の「東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワーク構築」というプログラムのセミナーに参加してきました。

東南アジアと日本で協力してこの海域の研究の発展と、研究者の育成を目指そうというプログラムで、6カ国(日本・インドネシア・マレーシア・フィリピン・タイ・ベトナム)が参画しています。

今回のセミナーはジャカルタのLIPI(インドネシア科学機構)の主催で、各国のミーティングと、ついでにみんなで研究発表も兼ねちゃいましょうかという国際学会色の強いセミナーです。

私も中野先生に触発されて、写真多めで旅を振り返ってみたいと思います。


関西空港を出発。

二時間ほどで韓国の仁川(インチョン) 空港に着きました。

飛行機を乗り継いでいざジャカルタ!


6時間ほどの空の旅を経て、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に到着。

夜中でしたが結構な人でした。

LIPIの方に迎えてもらいホテルに到着。

キレイな部屋です。

後にこのベッドが戦友となろうとは。

翌日、ホテルの朝食。

おかゆみたいな米に、ドライベジタブルみたいなものをのせて、カレーみたいなスープをかけた料理。

何という料理だろうか…。


ホテルの部屋からジャカルタが一望できました。

何らかの宗教施設と思われるタマネギ型の構造を持つ建物がアジア感を漂わせています。

昼食。

鴨肉のこんがり焼きとごはんというシンプルな料理。

テーブルサイドのナンプラー的な調味料で口の中が焼けました。

さてセミナー開始!

これはメインの会場です。広い!

椅子もきれいに飾り付けられています。

冷房が効いていて、半そでだった私は凍える思いをしました(外は真夏です)。

LIPIの中庭にあった謎の植物。

このもじゃもじゃに親近感を覚えるのは気のせいでしょうか。

ポスター発表はメイン会場内で行われました。

棘皮動物の発表も多くみられました。

が、テヅルモヅルの発表はありませんでした。残念。

一日目に私の発表でした。

発表会場はメインよりも小規模な会場。


一日目・二日目の夕食はメイン会場で。

四人の踊り子さんが舞を披露してくれます。

ぐるぐる~~~~~~。


ぐるぐる~~~~~~。
ハッ!!!!!!!!!

実にエキサイティングなダンシングです。




  1. 豪華な夕食と先生方。
食はすべての基本ですからね。
みよ!このアジアンなお食事!

グラスに注がれているのは地元のビールのビン・タンです。

美味しゅうございました。

ついつい食べ過ぎてしまいました。





というわけで、無事に一日目の発表を終えてジャカルタを楽しんだわけですが、

本当の闘いは翌日から始まったのです…(後篇へ続く)。

(posted by Mokanishi)