瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Apr 25, 2017

祝! 山守瑠奈さん 論文出版!


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 瀬戸臨海実験所をフィールドワークの拠点として利用されてきた京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程1年生の山守瑠奈さんが、論文を出されました。おめでとうございます!

The macrobenthic community in intertidal sea urchin pits and an obligate inquilinism of a limpet-shaped trochid gastropod in the pits.  
Luna Yamamori, Makoto Kato
Marine Biology, March 2017, 164:61
     https://link.springer.com/article/10.1007/s00227-017-3091-3

山守さんは加藤真先生の研究室の所属です。加藤 研のサイトは下記。
  https://makotokatoblog.wordpress.com/

この論文の内容は下記です。
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図1.  © Luna Yamamori
本州南岸の軟岩地帯の磯は多数のタワシウニによって穿孔を受ける場合があり(図1)、タワシウニの死後、巣 (pit) は穿孔力の弱いナガウニやムラサキウニによって借孔される。

穿孔性のタワシウニは殻とpitの形が一致しているが、借孔性のナガウニやムラサキウニは殻の形がpitに一致しないため殻とpit壁面の間に空間ができる(図2)。

図2.  © Luna Yamamori & Marine Biology



この穿孔性・借孔性ウニそれぞれのpitのミクロハビタットとしての特性を評価するために、和歌山県白浜町の番所岬においてpit内外の徹底的な生物相調査を行った。

表1 © Luna Yamamori

結果、大型藻類はpit外のみに見られ、底生動物は種多様性および個体数両面において借孔性のウニpitおよびpit外で多く、穿孔性のウニpitでは有意に少なかった(表1)。



更に、借孔性のウニのpitには完全な傘型のニシキウズガイ科貝類ハナザラが住み込み共生することがわかった(表2)。
表2.  © Luna Yamamori

ハナザラ Broderipia iridescens ニシキウズガイ科
 © Luna Yamamori
ハナザラの生態は今まで殆ど知られていなかったが、本研究によって、ハナザラは先例に類を見ない借孔性ウニpitへの絶対的な住み込み共生者であることが示唆された。ハナザラはウニpitに入り込むことで捕食者である肉食性のアクキガイ科貝類から身を守りつつ、扁平な傘型の貝殻によってウニの棘から被る損傷を緩和していると考えられる。



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Apr 3, 2017

後藤龍太郎先生の着任

posted by AA

  瀬戸臨海実験所に3月1日付で、助教として後藤龍太郎先生が着任されました。新進気鋭の無脊椎動物研究者としてのご活躍が期待されます。


アメリカのUniversity of MichiganのMuseum of Zoologyで、ご研究をされていました。
 次の3つを研究の柱として、これまで研究をされてきました。

1.寄生・共生の進化生物学・生態学

2.極端な性的二型の進化

3.海産無脊椎動物の系統分類(軟体動物、環形動物、腕足動物) 

 大学の学部は、京都大学農学部資源生物科学科を卒業されて、そのあと大学院は人間・環境学研究科博士課程(加藤真研究室)を出られています。

より詳しい紹介は下記を参照。

Mar 24, 2017

祝! 望月 佑一さん 論文出版!

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瀬戸臨海実験所 alumnus の望月 佑一さん(2014年3月をもって理学研究科海洋生物学分科修士課程修了)が、指導教官の宮崎勝己先生と、論文を出版されました。おめでとうございます。

Yuichi Mochizuki & Katsumi Miyazaki (2017)
Postembryonic development of the sea spider Ammothella biunguiculata (Pycnogonida, Ammotheidae) endoparasitic to an actinian Entacmaea quadricolor (Anthozoa, Stichodactylidae) in Izu Peninsula, Japan.
Invertebrate Reproduction & Development
DOI: 10.1080/07924259.2017.1291452

http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/07924259.2017.1291452

ABSTRACT
Postembryonic developmental stages of an endoparasitic pycnogonid, Ammothella biunguiculata in Izu Peninsula, Japan are described. Eleven stages were identified beginning with a protonymphon larva attached to the male oviger. We found endoparasitic individuals in the host actinian from the second to tenth instar, and forms in the ninth stage to adult were found free-living. This indicates
a transition from being endoparasitic to free-living during the ninth to tenth instar stages. The first instar protonymphon attached to the adult male oviger has a gland duct on the anterior margin of each chelifore scape which completely disappears with the second instar. The disappearance of the chelifore gland duct coincides with the beginning of an endoparasitic stage in the development of
this species. Although the larval morphology and the postembryonic development of pycnogonids have been summarized by several authors, the present study concludes that much remains to be learnt.